このアワードに登壇した筆者は、佐竹敬久知事と懇談の機会をいただいた。今回はその話を交えながら、秋田県のSDGs戦略を紹介する。
佐竹敬久知事(左)と筆者
“SDGsネイティブ”が育つ地域?
「あきたSDGsアワード」は、SDGs達成に向けた取り組みの普及・質の向上を促進することを目的に、本年度からスタート。今回は6つの企業・団体が選出された。一覧は以下の通り。・秋田銀行
・秋田放送
・アルビオン白神研究所
・大仙市立大曲南中学校
・ブラウブリッツ秋田(プロサッカークラブ)
・ポークランドグループ(養豚、豚肉の加工販売など)
30日の表彰式では、受賞者のプレゼンと選考委員による講評があった。
それによると、秋田銀行は、地方銀行の役割が重視されている中で、「長活き(ながいき)」というコンセプトを掲げていることが評価された。単なる高齢者支援ではなく生涯学習機会を提供していることや「お困りごとサポート」サービスに特色があるという。
また、秋田放送は、全国のメディアに広がった「SDGsメディア・コンパクト」(国連へのメディアとしてのSDGs協力)の加盟メンバーとしての活動が評価された。秋田県でのSDGsの認知度向上に努めた。
そして大仙市立大曲南中学校は、県内唯一のユネスコスクール(ユネスコが認定する学校)であり、幅広くSDGs活動を行っている。大仙市自体もSDGs未来都市として認定されている。今後ここから“SDGsネイティブ”が育つことも期待される。
この他の受賞事例も、深いSDGsの実践を感じさせるものばかりだった。
日本政府が主催している「ジャパンSDGsアワード」もすでに5回の表彰が行われたが、こうした県レベルでの表彰は地元での影響力が強く、その効果にはとても期待している。
「大変革」の背景に3つの要素
秋田県では、2022年3月に県政運営の最上位計画である総合計画を策定した。「~大変革の時代~ 新秋田元気創造プラン」という題名が示す通り、変革志向だ。そのプランの中では、秋田が目指す将来の姿として「“高質な田舎”を思い描きながら、人口減少問題を克服し、将来にわたって持続的に発展していくこと」とされている。この「高質な田舎」という表現に特色がある。
なぜ「大変革」なのか。このプランを推進している佐竹知事はこう語る。