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2023.02.05

米Web3スタートアップ、セレブなどから1000万ドルを調達

Getty Images

ブロックチェーン技術を利用した分散型ウェブ「Web3」のインフラを構築する企業Spatial Labsは2023年1月26日、シードラウンドで1000万ドルの資金を調達したと発表した。

ラウンドを主導したのは、ブロックチェーン・キャピタル。同社は、暗号資産交換所大手コインベースや、暗号資産デリバティブ取引レジャーX(LedgerX)にも出資しているベンチャー企業だ。

Spatial Labsは2021年にプレ・シードラウンドを実施しており、今回の資金調達を含めて、同社がこれまでに得た資金総額は1400万ドルになる。同社を創業した起業家のアイドリス・サンドゥ(Iddris Sandu)は25歳で、シードラウンドで1000万ドル以上を調達した初の30歳未満の黒人創業者だ。

シードラウンドには、他の投資家も参加した。まずは、ラッパーのジェイZが共同創業したマーシー・ベンチャー・パートナーズ(MVP)だ。MVPはこれまで、NFTマーケットプレイスBitskiや、暗号資産ハードウェアウォレットLedgerに出資したほか、Spatial Labsが2021年に実施したプレ・シードラウンドにも参加している。

また、セレブやアスリートのエンジェル投資家たちも出資した。

実業者ロナルド・バークル(投資会社ユカイパの共同創業者で、会員制クラブ「ソーホー・ハウス・グループ」の創業者)、音楽プロデューサーのスクーター・ブラウン(Space VC Studio)、元NBA選手のアンソニー・トリバー(Wealthlete Private Equityのプリンシパル)、現役NFL選手のボビー・ワグナー(シアトル・シーホークスで長年プレイし、現在はロサンゼルス・ラムズに所属。ベンチャーキャピタルStudio Fuse Venture Partnersのパートナー)などだ。

Spatial Labsの主力製品は、「LNQ One Chip(リンク・ワンチップ)」。商品に付ける小さなチップで、ブロックチェーン技術を利用し、販売者がそのアイテムが本物であることを認証できる。物理的なモノの真正性や所有者歴、リアルタイムの価値を追跡できるほか、デジタルツインも作成できる。

「意識の高い消費」を後押しするだけでなく、顧客ロイヤルティを促すインセンティブに活用したり、ブランドの二次的収益モデルを開発したりすることも可能だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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