スポーツ

2023.02.02

トム・ブレイディが引退表明。「史上最高のQB」は23年のキャリアでいくら稼いだか

トム・ブラディ(Photo by Julio Aguilar/Getty Images)

米プロフットボールリーグNFL、タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ(45)が1日、現役引退を表明した。ブレイディは1年前にも引退の意向を明らかにしていたが、その後撤回していた。
 
ブレイディはソーシャルメディアに投稿した動画で「引退する。永久に」と語り、「前回はかなり大がかりなやり方になってしまったから、今朝起きると、録画ボタンを押してまずみんなに伝えようと思った」などと説明した。
 
ブレイディはパスヤード(8万9214ヤード)、タッチダウンパス(649回)、スーパーボウル制覇(7回)などでNFL歴代最多記録を誇り、NFL年間最優秀選手(MVP)にも3回選出されている。史上最高のクオーターバックと評され、殿堂入りは確実だ。
 
生涯収入もNFL選手としては歴代最高で、フォーブスの推定では23シーズンを通じておよそ5億2500万ドル(約675億円)を稼いでいる。スポーツ情報サイトのSpotracによると選手としての契約分が3億3300万ドルで、残り2億ドルほどはフィールド外での活動分によるものだ。今シーズンの収入は7500万ドルと見込まれ、フォーブスが2010年に始めた「最も稼ぐNFL選手ランキング」で初めて首位に立っている。
 
ブレイディは長年、企業からのエンドースメントオファーをほとんど断っており、収入ランキングの上位に顔を出すようになったのはつい最近のことだ。2019年時点では、フィールド外の活動による年間収入は1200万ドルほどだったが、その後、スポーツライセンスグッズを販売するファナティクス、レンタカーのハーツ、ファストフードチェーンのサブウェイ、スポーツ用品のアンダーアーマーといったブランドと契約し、その数字は4倍近くに膨らんだ。
 
ブレイディはこのところ起業家としての活動にも力を入れてきた。これまでにサプリメントやトレーニング用品のブランド「TB12」、非代替性トークン(NFT)を手がける「Autograph(オートグラフ)」、映画やテレビのコンテンツを制作する「199 productions」など、5社を単独もしくは共同で創業している。昨年10月にはピックルボールのプロチームにも出資した。
 
NFL選手としてのブレイディにとって、今季は起伏の激しい一年になった。バッカニアーズは8勝9敗と負け越しながらもかろうじてプレーオフに出場したが、プレーオフでは1回戦でダラス・カウボーイズに敗退した。ただ、フィールド外ではそれ以上に大きな変化に見舞われたようだ。
 
ブレイディのNFT会社Autographは、昨年1月に1億7000万ドルの資金調達を行い、9月にはゴルフのPGAツアーとの提携も発表した。だが、NFT市場は昨年大きく崩れ、Dune.comによると年初の1月に171億ドルだった平均取引量は12月には14億ドルと92%も減少した。
 
ブレイディは昨年10月、13年連れ添ったスーパーモデルのジゼル・ブンチェンとの離婚が成立したことを明らかにしている。金銭的な条件については公表していない。
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編集=江戸伸禎

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