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「大人の日本」を標榜する安倍首相の政策のなかで、「おとなしい政策」のひとつが消費者金融改革だ。しかし、2006年以降の規制強化により、GDPは2~8%ものマイナスの影響を受けている、という。

(中略)日本の消費者金融に関するルールは、先進国においては最も厳しいものであるし、世界的にみても、厳しい部類に入る。他の「大人の」国々では、日本よりも消費者金融が発達している。同時に、過去8年間にわたる消費者金融の制限によって、消費者のレバレッジがあまりに下がってしまった。これにより、経済は大きなマイナスの影響を受けているのである。

 消費者金融残高は、最高裁判決前の05年末には41兆円であったが、12年には、わずか24兆円に減少している。これは、明らかに経済にとってマイナスの影響を与えている。その影響については、以下の通りである。

 長い間、証券業界に朝永久見雄氏という、小売りセクターの優れたアナリストがいた。 彼は、小売業の既存店売り上げについて、 毎月発行される単一サブセクター(百貨店統計のような)の指標よりも広義の指標を開発した。彼の指標は、消費者金融セクターの株価といつも驚くほど密接に連動していた。(中略)朝永さんは、実体経済と消費者金融には、短期的な相関関係があることを示した。慶應大学の岩本隆教授は、長期的な相関関係もあることを示した。

 岩本先生の計算によれば(13年10月号の『月刊消費者信用』に先生の研究の要約が掲載されている)、さまざまな消費者金融政策による引き締めはシナリオによっては10兆円から40兆円の間、すなわちGDPの10%近くになっていた。 岩本教授によれば、総量規制(借り手の年収の3分の1を超えて貸すことを貸し手に禁止する)は、GDPをおよそ2%引き下げたが、最も問題であったのは、「グレーゾーン」金利を廃止したことであった。貸し手がよく言うように、実際、低い金利では安全に貸すことができない顧客が存在する。それで、公的な貸し手がこれらの顧客への資金供給を止めると、彼らは借りないか、違法な闇金からもっと高い金利で 借りることになる。どちらも経済全体にとっては望ましいものではなく、金融サービスが、税金を払い規制されているノンバンクから、税金を払わず規制もされていない闇金に移るのは、まったくのマイナスでしかない。与信の観点から言えば、労働市場が改善しているいまが、規制緩和のいいタイミングである。パートタイムの市場の需給が非常に逼迫し、正規労働者市場も逼迫し始めている。

 11年の地震以降、左派と右派双方が、「取り戻す」と好んで言うようになった。次に取り戻されるべきは、消費者金融市場と、それとともに失われた2~8%分のGDPである。

デービッド・スノーディ

 

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