「わたしたちのみるところ、年初来、相場で大きな役割を果たしてきたのはテクニカルな要因だったようだ。いずれこの要因は後退し、相場を主に動かすのは再びファンダメンタルな要因になると予想している」
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ハフェル最高投資責任者(CIO)はそう記し、「したがって投資家には、グロース株やテック株など、(テクニカルな要因が相場を大きく動かす)こうした流れからとくに大きな恩恵を受けた資産には注意してもらいたい」と続けている。
言い換えると、現在の株高がいつまでも続くと思うべきではなく、ある程度、利益を確定させておいたほうがよいかもしれないということだ。
ハフェルは、上に述べたような変化から最初にとくに大きな恩恵を受けそうなのは新興国市場とドイツの株式だとの見通しも示し、投資家に対してドイツを含む米国外の市場などに投資先を多様化させることも助言している。
リポートで言及されているわけではないが、ドイツは欧州最大の工業国であり、エネルギー高の緩和や国防費の増額が同国の産業界にとって追い風になっているのも間違いない。
また、ドイツ製の戦車「レオパルト2」を調達した国の多くが、ロシアの侵攻を受けているウクライナにそれを供与することを計画している。これらの国はおそらく、供与分を補うためドイツからこの戦車をさらに購入したい意向だろう。
今後見込まれるドイツ株高からの利益を狙う投資家は、ドイツ株価指数(DAX)と連動する上場投資信託(ETF)「グローバルX DAXドイツ」の購入を検討してもよいかもしれない。ドル・ユーロ相場の変動が気になる人は、為替ヘッジのあるETF「iシェアーズ米ドルヘッジMSCIドイツ」が選択肢になる。
ヤフーのデータによると、グローバルX DAXドイツは過去3カ月に22%、iシェアーズMSCIドイツは17%上昇している。
(forbes.com 原文)