宇宙

2023.02.02

NASA、火星表面に「クマ」を発見

NASA/JPL-CALTECH/UARIZONA

NASAの探査機が火星でクマを発見した。マンガで描かれるクマの顔のように見える。

火星偵察周回機マーズ・リコネッサンス・オービターは12月12日、高解像度カメラHiRISEを使って、火星表面の高度251kmから上記の画像を撮影した。

アリゾナ大学にあるHiRISEオペレーションセンターは1月25日、この画像を「今日の1枚」として、実際に写ってい画像を説明とともに公開した。

「V字型の陥没構造のある丘(鼻)と、2つのクレーター(目)、および円形の割れ目パターン(顔)が見られる。円形の割れ目は埋もれた衝撃クレーターの上に沈殿物が堆積したためと思われる。おそらく鼻は火山か泥の出口で、堆積物は溶岩または泥流の可能性がある」

不気味なのは、完璧に描かれた割れ目のパターンが顔の輪郭になっていることだ。ちなみに本記事上部のトリミング画像ではクマとの類似性を見逃すことは不可能だが、ズームアウトすると、広い周囲に溶け込むとともに、あの円形の割れ目がいかに目立っているかがわかる。
 

火星の「クマ」の広域画像(NASA/JPL/UNIVERSITY OF ARIZONA)

もちろん、これは「パレイドリア」と呼ばれる現象の最新事例にすぎない。実際には存在しない物体やパターンを見つけようとする人間の心理だ。もしあなたにその経験がないなら、雲を5分間見つめてほしい。すぐにふわふわとした動物かなにかの形が空の上に見つかるだろう。

火星は長年何も育たない不毛の地だが、パレイドリア体験だけは例外だ。

遡れば、火星の表面に見えるいくつかの線の中に火星人の作った運河が見えると信じていた観測者から、20世紀にバイキング1号が見た「人面」までさまざまある。

最近では、火星の探査車が奇妙な形の岩石や地形を豊富に提供してくれる。火星人による製造の証拠だと断言する人もいるかもしれないが、現時点で信頼できるすべての証拠は、火星が冷たくて乾燥した不毛の地であり、クマが群れてはいないことを示している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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