海外

2023.02.03

自動操縦の電動プロペラ機で「物流革命」起こすPykaの挑戦

Getty Images

課題は米連邦航空局の認可

ノルシアによると、Pykaが他の電動航空機のスタートアップと異なる点は、大型の自律型電動航空機の商業利用をすでに開始している唯一の企業であることだという。

Pykaは現在、中米で5台の農薬散布機を飛ばしており、ノルシアが「地球最大のバナナ生産者の1つ」と表現する匿名の顧客企業向けに試験サービスを実施し、最近別の企業との協働も開始した。この2社は、それぞれ100機程度まで規模を拡大することに関心を持っているという。

昨年のシリーズAで3700万ドル(約48億円)を調達したPykaは、他の中米諸国やブラジルにも事業を拡大する計画だ。

一方で、米国での規制当局の承認は遅れている。2020年にPykaは、連邦航空局が、安全監視員の監視下で農薬散布を行うための航空機の運用に関する規則の適用除外を認めてくれることを望んでいたが、現在もまだ、その返事を待っている状態だ。「他のこの分野のスタートアップも、同様の課題に直面している」とノルシアは話す。

そんな中、前述のエルロイ・エアやベータ・テクノロジーズなどの企業は、電動航空機の軍事利用を試験する空軍のアジリティ・プライムプログラムを通じて、より早く飛行を開始しようと考えている。

マッキンゼーのリーデルは、FAAがリスクの考慮に時間をかけていることを非難すべきではないと話す。「この技術の新しさを考えると、急速な規則の制定は、業界の足かせとなる不適合な要件を生み出す可能性がある。あまりに早く規制を作ると、かえってイノベーションを阻害することになりかねない」と、彼は指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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