アップルはそれまで成熟産業と思われていたオーディオ産業をすっかり変えてしまった。ひとつひとつの変化は、業界全体からすれば、取るに足らない動きだった。
彼らが音楽業界をiTunes Music StoreとiPodで変えていった時は、それこそ革新的な動きで常識を変えていったがオーディオ産業に対するアプローチは、もっと多方面から包囲網を敷くように、少しづつ常識を変えていった。
最初の一歩は2016年にiPhone 7からイヤホンジャックを取り去り、同時に初の左右独立型ワイヤレスイヤホン「AirPods」を発売したことだった。AirPodsとそのファミリはその後、競合を迎えながらも常に同ジャンルでトップ製品であり続けているが、ここでAirPodsが優れた製品であることを書き連ねるつもりはない。
彼らは他にも多様な戦略をもってオーディオ業界の景色を変えていき、iPhoneからイヤホンジャックを取り払うことでドラスティックに市場を変えたイヤホンやヘッドフォンだけではなく、家庭向けスピーカーの常識も変えようとしている。
第二世代となる新型Home Podの出荷が始まる。ひと足さきにこの製品を使っているが、もたらされる体験はホームオーディオの常識を変えるだろう。そう、ポータブルオーディオデバイスと同じようにだ。