資産運用

2023.02.01 14:30

1年前のトンガの大規模噴火で世界の天候は今後も荒れ模様に

Getty Images

Getty Images

食料とエネルギーの価格高騰はまだ落ち着いていない。
advertisement

2022年1月中旬に太平洋で発生した大規模な火山噴火は、今後も地球に大混乱を引き起こす可能性が高い。

米航空宇宙局(NASA)の専門家によると、トンガの海底火山は爆薬の一種、トリニトロトルエン(TNT)最大18メガトンに相当する驚異的なパワーを放った。これは第二次世界大戦末期に長崎と広島に投下された原爆の何倍もの規模だ。

トンガの海底火山噴火から1年経つが、気候への影響は長引きそうで、今年の農作物に多大な影響を与えるかもしれないと専門家はみている。
advertisement

問題は爆風によって大気中に5000万トンの水蒸気が放出され、約5%増加したことだ。その水蒸気が気候を混乱させる可能性が高い。

トンガの水蒸気は「数週間で記録的な寒さから記録的な暑さまで気温が乱高下する」原因でもあると、ショーン・ハケットは「ハケット・マネー・フローレポート」のニュースレターの中で述べている。ハケットは農業市場を専門とする金融会社Hackett Financial Advisors(ハケット・ファイナンシャル・アドバイザーズ)の社長だ。

「今夏、北半球では水蒸気が熱を逃がさず閉じ込めるため、極端な暑さが予想される。トンガの噴火は水蒸気が消散するまであと数年は気候に影響を与えるだろう」とハケットはこう続ける。

暑さや寒さの異常気象は往々にして作物の収量に悪影響を及ぼし、その結果、食料価格が上昇する。このような異常気象は天然ガスなどのエネルギー価格にも影響を与える。極寒の冬は暖房を一層必要とするため、天然ガスの価格は上昇する傾向にある。しかし、灼けるような暑さの夏にも冷房のためにさらにエネルギーが必要になる。

消費者にとっては悪いニュースに聞こえるかもしれないが、賢明な投資家は天然ガスの先物取引や、Chesapeake Energy(チェサピーク・エナジー)といった天然ガス生産会社に投資することで、追加コストの一部を相殺することができるかもしれない。

また、穀物価格に連動する多くの食品関連の上場投資信託を購入してみるのもいいかもしれない。例えば、小麦とトウモロコシの価格にそれぞれ連動する上場投資信託「テウクリウム小麦ファンド」や「テウクリウムトウモロコシファンド」などがある。

天候を正確に予測するのは至難であるため、いつものことだがこのような取引にはリスクがともなう。別の表現をすると、夏でも冬でも天候が予想どおり異常気象にならないこともある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事