キャリア

2023.02.12 10:00

自らの「引き際」を知るということ

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いつ辞めるかという問題は、簡単に答えられるものではない。始めるとき、あなたは楽観と期待でいっぱいだ。明るく輝くような仕事や人間関係や新鮮な目標を目にして、あなたは目標に向かって気ままに進んでいく。新しい始まりはいつも楽しい。

しかし、終わりはそうでもない。同じレベルの自信とともに去っていくには勇気が必要だ。

ジャシンダ・アーダーンのニュージーランド首相を辞任するという大胆な決断は、明確な目標と勇気を持って職を辞することがどういうものかを示す最近の事例だ。

「私が辞めるのは、このような特権には責任がともなうからです。自分が今リーダーとして適切な時かそうでないときかを見分ける責任です」と彼女はいう。「この仕事に何が必要かを私は知っています。それをふさわしく実行できるエネルギーが残っていないことを私は知っています。簡単なことです」

たしかに簡単なことかもしれないが、誰もが知っているように「それほど」簡単ではない。自分を知り、それをさらけ出し、自分より大きなもののために自我を抑え、自分の選択に自信を持ち、直感を信じることは勇気のいる行動だ。

アーダーンは、リーダーとして、ロールモデルとしての功績をほのめかすようにこう語った。「私は、ニュージーランド国民に対して、人は優しいけれども強く、共感的だが決断力があり、楽観的だが集中力を持つことができるのだという信念を伝えられればと思います。そして、誰でも自分なりのリーダーになれること、辞めるときを知っているリーダーになれることを」

誰でも一度や二度、何かを犠牲にしなければならないことがある。仕事のため、人間関係のため、その他の目的のために。しかし、いつ、どこに線を引くかをどうやって決めるのか? 私は、2歳未満の子どもが2人いる息子とその妻のことを思い出す。自分たちの睡眠や自由時間を無意識のうちに犠牲にして、手に負えない、しかし愛らしい2つの存在のために尽くしている。その犠牲は適切な選択に思える。

しかし仕事では、しばしばその線がずっとぼんやりしていることに気づくだろう。そう感じるのはあなただけではない。
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翻訳=高橋信夫

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