北米

2023.01.31 11:00

米議会でTikTokトップが証言へ、「中国政府との関係」を追及

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米下院エネルギー・商業委員会のキャシー・マクモリス・ロジャース委員長(共和党)は1月30日、TikTokの周受資CEOが3月に同委員会で証言すると発表した。

周CEOは3月23日にTikTokのプラットフォームが子どもに与える影響や、同社と中国政府との関係について証言すると、ロジャース委員長は述べた。

「バイトダンスが所有するTikTokは、中国共産党が米国のユーザーデータにアクセスすることを意図的に黙認している」と委員長は声明で述べ、バイトダンスがフォーブスの記者を含むジャーナリストの位置情報を監視していたことに言及した。

ロジャース委員長と下院の共和党議員らは11月に周CEOに宛てた書簡で、TikTokでの子どもの性的搾取を報じたフォーブスの記事を引用し、TikTokの幹部との面会を要求していた。

議員らはすでにTikTokを規制する動きを見せている。バイデン政権は12月、連邦職員が政府所有の端末で同アプリを使用することを禁止する法案に署名し、議会は同アプリの全米での禁止を検討している。ホワイトハウスはまた、中国政府がバイトダンスの米国内でのオペレーションに与える影響を抑制する目的で、同社と交渉を行っている。

TikTokは、ユーザーの位置情報だけでなくキーストロークまで追跡可能であるとの報道が相次いでいる。この機能により、ユーザーのログイン情報やクレジットカード番号、パスワードなどの重要な個人情報が漏えいする恐れがある。また、フォーブスが11月に、性犯罪者がTikTokのセキュリティを回避して未成年を誘い、児童性的虐待の不正なコンテンツを投稿することが可能であると報じたことで、同社がアプリ上での児童搾取を防止できていないという批判が起こっている。

さらに、TikTokの親会社のバイトダンスと中国政府との関係から、中国がTikTokにユーザーデータの提供を強制する可能性があるという、国家安全保障上の懸念が高まっている。

米国の半数以上の州では、職員が政府の端末でこのアプリを使用することを禁止しており、いくつかの大学では、学生がキャンパスのWiFi経由でこのアプリにアクセスすることを禁止している。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、米国内でのTikTokの使用を禁止する法案を提出し、マイク・ギャラガー下院議員と共に、フォーブスの記事を引用して、バイトダンスの取締役23名が以前、中国の国営メディアに勤務していたとする論説記事をワシントン・ポストに寄稿した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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