アメリカ流・ネットワーキング術
──アメリカ・シリコンバレーに渡り10年、松田さんが現地での繋がりを築くために意識されている点があれば教えてください。私の場合、基本的にランチはとにかく誰かを誘って食べることをひたすらやり続けました。あと、家にどんどん人を呼んでパーティーをしました。どちらもお金がかかりますけどね(笑)。
ネットワークを広げようと思ったら、とにかく行動する。この基本は日本と変わらない。
一つあるとすると、「またの機会にお会いできれば嬉しいです」のように曖昧なことを日本人は書きがちですが、それっていつどこで会うの?となります。
──いつどこで会いましょうというのを明確に書く?
どこで、というのがもう感覚が違っていて。どこで、は絶対「相手のオフィス」なんです。
アメリカって広いから距離が離れているので、わざわざ来てくれるなら話しぐらいは聞いてあげてもいいかなとなるんですよ。遠路来てくれる人を拒むほどの勇気もないですからね(笑)。
なのでアポイントメントの時に“at your office”って書くだけで、会える確率はまったく違います。これはアメリカならではのtipsかもしれません。
──では最後に、世界展開も強化されている貴社の今後のチャレンジを教えてください。
ポケトークに関しては、私は「アメリカ人が英語を全くできない日本人と普通に会話ができる世界」を本気で作りたいと思っています。
ですので、ひたすらそれを目指していきます。
これは英語と日本語に限らず全言語という意味なのですが、そうすると世界はすごく変わるだろうと思っています。
ポケトーク以外でも、今までにない製品をどんどん生み出していきたい。しかも一個じゃなくて生み出し続ける、そして世界をいい方向に変えていく。
それで人類がもっと進化すればいいなと思っています。
ほかに挙げると、日本って全体的に古い体質があるので、そこを変えていきたいというのもあります。例えば会社の女性比率が低いのもそうだし、年功序列の問題もそうです。
もちろんメーカーとして製品を生み出し続ける事はマストなんですけど、それ以外にも国際基準に照らした場合に、日本だけが普通でない事が多いと思っていて、そこを変えていきたいなと思います。
──松田さん自身もシリコンバレーに渡り、チャレンジし続けておられます。
そうですね、まだまだやりたいことの1%しかやれていないという感覚です。
これから100倍にしていくために、グローバルな製品を生み出せるような会社や体制、そういったチームを作っていくことが非常にエキサイティングです。
シリコンバレーにいると、ものすごいスピードで育って大きくなっていく事業をたくさん目の当たりにします。
そういうことにチャレンジするということ自体が面白いと思いますし、グローバルなプロダクト、グローバルな企業を目指していきたいと思っています。