トラウトがオールスターのホームランダービーやワールド・ベースボール・クラシックに参加したことがないのはそれが理由だった。
ダービーで意図的にホームランを打とうとすれば、自分のスウィングを変えることになるとトラウトは信じている。WBCでプレイするために春季トレーニング中にチームを離れることにもためらいがある。レギュラーシーズンの始まりに備えて準備ができないことを恐れているからだ。
これらのイベントに対するトラウトのスタンスは、長年メジャーリーグを失望させてきた。コミッショナーのロブ・マンフレッドが2017年、マイアミで行われたオールスターゲームで記者団に対し、トラウトは野球の振興に努力していないと非難したことさえあった。
しかし2023年、トラウトは心境の変化があったようだ。アメリカンリーグMVPを3回受賞した同選手は、WBCで米国チームのキャプテンを務める。
トラウトは、2017年のWBCでチームUSAのためにプレイすることを考えた(2021年はパンデミックのために開催されなかった)。しかし、結局出場しないことにした。その年、米国は初優勝を果たし、トラウトは決勝戦をテレビで観戦したことを悔やんでいると公言していた。
「みんな本当に楽しそうにプレイをし、そして勝ちました」と最近の電話会見でトラウトはいう。「後悔したのはそこです。私もあの場にいるべきだったのです」
今回、トラウトは3月11日に米国がフェニックスのチェイス・フィールドで英国と予選を戦うときから登場する。米国はプールCデカナダ、コロンビア、メキシコと対戦する。決勝戦は3月21日にマイアミのローンデポ・パークで行われる。トラウトは、米国チームがそこにいると信じているとはっきり口にした。
「優勝すること、それが私が参加する理由のすべてです」とトラウトはいう。「他には何もありません。それ以外はすべて負けです」
WBCが2006年に初めて行われて以来、一部のプレイヤーは、参加しない主要な理由として怪我のリスクを挙げている。
トラウトは昨シーズン、上背部と胸郭を傷めて7月12日から8月19日まで故障者リスト入りし、5週間近くを棒に振った。その後、彼は元気に復活し、主力としてシーズン終了まで40試合に出場して打率.308、ホームラン16本を打った。
シーズン全体で、トラウトは119試合に出場し打率.283、ホームラン40本を記録し、故障期間の後遺症はなかったと語っている。
「背中はこの4カ月間まったく問題ありません。シーズン中は帰宅後に少し違和感がありましたが、今は何の問題もなく、ジムで同じルーチンをこなし、ウォーミングアップをして、周辺の背筋がすべて頑強であることを確認しています」という。
トラウトはWBCで、日本の大谷翔平と対戦する可能性がある。二刀流のスーパースターはエンゼルスのチームメイトだ。
「大谷が投げるときは、いつも特等席で見ています」とトラウトはいう。「本当にいやらしい。彼と対戦した人全員が、打席に立ちたくないといいます。おもしろいことになりそうです。彼は親友の1人なので、楽しい時間になるでしょう」
(forbes.com 原文)