「Pau Baru(パウ・バル)」と名づけられたその石は、隕石のかけらか別の岩石層の小石が、風または水によって現在位置まで運ばれた可能性がある。探査車の運営チームは近日中にパウ・バルを分析し、その組成と起源の解明を試みる。
2012年、NASAは火星のゲールクレーターを探索するために探査車キュリオシティを送り込んだ。その大型の衝撃クレーターには、中央に巨大な層状の山がある。キュリオシティは火星表面を走行しながら、さまざまな地学的に奇異な物質を発見してきた。
2016年、キュリオシティは黒っぽいゴルフボール大の正体不明な物質を火星表面で発見した。化学分析の結果、高濃度の鉄、ニッケルおよびリンが検出されたことから、ニッケル鉄隕石であることが示唆された。以前にも隕石であると推定される物質が発見されたことはあったが、分析されたのは「Egg Rock(エッグ・ロック)」と呼ばれるこの石が最初だった。
2014年、キュリオシティは「Lebanon I」と命名された並外れて大きい隕石と、それより小さな断片「Lebanon II」を発見した。直径2メートルの鉄隕石が、火星大気に突入・落下する際に分解されなかったことに科学者たちは驚いた。これまでに地球で発見された最大の鉄隕石は「ホバ隕石」で、最大幅は2.7メートルだ。地球に衝突した際、大気が隕石を減速させ、衝突の瞬間に崩壊しない程度まで最終速度が低くなったたと考えられている。
先の研究では、火星の岩盤を走査する亀裂の中にオパールを発見したと発表された。キュリオシティが収集した写真や科学データのおかげだった。
(forbes.com 原文)