2022年10月の午後11時30分、ニューヨークからミーガン・ザ・スタリオンが生中継している。27歳の”ヒップホップ界のセンセーション”である彼女は、観客のために、タイトなシースルーブラックドレスに、きらめくコルセットを身につけ、ふくらはぎまで垂れた髪で、サタデー・ナイト・ライブ(SNL)のステージを盛り上げている。
ミーガンはSNLの司会と音楽ゲストを兼任していた。ジェニファー・ロペス、ミック・ジャガー、クイーン・ラティファ、デビー・ハリー、エルトン・ジョン、レイ・チャールズなど、過去この番組のために二役をこなしてきたエリートミュージシャンに加わることになったのだ。
ミーガンはモノローグを終えると、ハイヒールのまま舞台裏へと急ぎ、一瞬のうちに何度も衣装替えをする。病院の場面ではホットピンクの手術着、ログハウスの場面ではプレッピーなセーターとジーンズに。グラミー賞受賞ラッパーである彼女は、次にミス・アメリカ風のガウンを着て、セレブのストレスと葛藤を歌ったニューシングル「Anxiety」を披露し、再び舞台裏へ飛び込んだ。
「今はゆっくりできません」と話すミーガンは、2022年に印税、チケット販売、エンドースメント、商品販売を合わせて約1300万ドル(約16億円)を稼いだとForbesは推定している。「一時停止する? そんなわけはない。死んだら休みます」と彼女は言う。「私は本当に何かを築き上げようとしています」。
彼女は以下のように加える。
「座り始めると、自分が十分なことをしていないか、他の誰かに自分を追い越す機会を与えているような気がします」
2019年以降、ミーガン・ザ・スタリオンはヒップホップの世界で躍進し、地元ヒューストンでの500ドル(約6万5000円)のライブから、音楽の大スター、ビヨンセ、ニッキー・ミナージュ、BTS、デュア・リパとパートナーを組むまでになった。
2020年、カーディ・Bはミーガンを起用して「WAP」でコラボレーションした。女性の性的肯定感を表現したこの挑発的な賛歌は、Spotify(スポティファイ)とYouTube(ユーチューブ)で約20億回再生され、その年のヒット曲となった。「あれは彼女のための曲だった。他の人には意味がなかったと思います」とカーディ・Bは言う。「彼女がスパークを加えてくれました」
RAMONA ROSALES FOR FORBES