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2023.01.31 18:00

記録的な大富豪ラッパー、ミーガン・ザ・スタリオンの影響力

ミーガン・ザ・スタリオンになる前に、彼女はミーガン・ピートだった。集金人でラッパー志望の母ホリー・トーマスは、ヒューストンの黒人居住区であるサウスパークで彼女を育てた。

2016年までにミーガンは、YouTubeでヒップホップの動画を作成しながら、アメリカ最大の歴史的黒人大学のひとつであるプレイリー・ビューA&Mで看護学を学んでいた。そんななか2018年、ヒップホップ・マネージャーのトラヴィス・ファリスの耳に留まった。彼はヒューストンのストリッパーたちが彼女のサウンドを保証してくれたことから、初めてミーガンを知ったそうだ。

「私は女性が好きな音楽に注意を払うようにしています」とファリスは言う。「彼女たちが誰かを指し示したら、耳を傾けなければいけません」

2018年、ミーガンはヒューストンの独立系レーベル、1501 Certified Entertainment(1501サーティファイドエンターテイメント)と契約し、5万ドル(約650万円)の前金を手にした。彼女の最初のプロジェクト「Tina Snow」は2018年にドロップされ、タイ・ダラー・サイン、ニッキー・ミナージュ、そして2020年には彼女のヒーロー、ビヨンセがミーガンのTikTokヒット曲「Savage」のリミックスを担当するなど、ラッパーとのコラボレーションのきっかけを作った。

しかし、こうしたキャリアの勝利は、壊滅的な個人的損失の中でもたらされたものだった。2019年、彼女の母親であり、ミューズであり、メンターであり、マネージャーであったホリーが、脳腫瘍との長い闘病の末に亡くなった。同月、彼女の祖母も他界した。さらに、2020年7月、ラッパーのトリー・レーンズが、ハリウッドヒルズのパーティーで喧嘩をした後、ミーガンに向けて発砲したとされる事件も起きた。ミーガンは弾丸の破片で足を負傷したと主張している。

ただこの件に関して、証言はさまざまだ。当時、ニュースサイトのTMZは、彼女が割れたガラスを踏んでしまったと報じていた。レーンズは、無罪を主張している。この事件は、今年の冬に裁判が行われる予定だ。


RAMONA ROSALES FOR FORBES
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翻訳=上西雄太

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