デジタルメディア企業のBuzzFeed(バズフィード)が、AIが生成するコンテンツに大きく舵を切る。先の記事によれば、BuzzFeedはChatGPT(チャットジーピーティー)の中のOpen AI(オープンエーアイ)の技術を利用して、サイトの特定のコンテンツ(クイズなどを含む)を生成する計画だ。ChatGPTを内部で支える革新的な学習エンジンを使用したより大きなコンテンツ作成の第一歩となるとのことである。これに関連する動きとして、先月同社は、約12%の人員削減を発表したばかりだった。BuzzFeed最高責任者のジョナ・ペレッティは、社員向けのメモで「2023年には、AIに触発されたコンテンツが、研究開発段階から私たちのコアビジネスの一部となり、クイズ体験を強化し、ブレインストーミングに情報を与え、読者のためにコンテンツをパーソナライズするところをみて貰えるでしょう」と述べている。
ロイター通信によると、ペレッティはメモの中で「創造的なプロセスは、ますますAIに支援され、テクノロジーを活用するものになるだろう」とも書いているという。またVariety(バラエティ)は「過去15年間のインターネットが、コンテンツをキュレートして推奨するアルゴリズムフィードによって形づくられてきたとすれば、次の15年は、コンテンツ自体の作成、パーソナライズ、アニメーション化を支援するAIとデータによって形つくられるだろう。【略】私たちは今、人間が創造性を新しい方法で活用し、無限の応用機会を手にすることができる、創造性の新しい時代を開くAIのブレークスルーを見ているのだ。出版業界では、AIはコンテンツ制作者と読者の両方に利益をもたらし、新しいアイデアを刺激し、読者をパーソナライズされたコンテンツ制作へと誘う」と報じている。
AIが、BuzzFeed、マイクロソフトなどのメディアに与える影響
The Byte(ザ・バイト)の調査レポートでは、メディアサイトのCNET(シーネット)で、匿名の「CNET Money Staff」によって書かれているとされる記事が、AI技術を利用していたことが報告されている。複数のニュースソースによると、AIはCNETのリソースによって作成され、ごく少数の投稿に用いられたが、人間による検証で重大な事実誤認、誤り、コンテンツ盗用が検出されたために利用が中止された。
自前のソリューションから第一級技術への投資へ、マイクロソフトはOpenAIに数十億ドル(数千億円)を投資している。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、同社がプラットフォームを商用化する方法をさらに模索していると語っている。
一方、BuzzFeedは、Facebook(フェイスブック)の親会社であるMeta(メタ)とコンテンツ制作に関する複数年契約を締結している。NASDAQによると、契約額は1000万ドル(約13億円)とされている。この契約、そしてOpen AIのChatGPTをコンテンツ制作に活用することを発表したことで、同社の株価は急騰した。