一方、当然のことながら、社会は変わる。変化する課題に、ミニは歩調を合わせて、時代が求めるものを盛りこんできた。変えないものと、変えるべきもの。よくバランスをとったプロダクトゆえ、モデルチェンジをするごとに新しいファンを生んできたことはミニの特徴的なエピソードだ。
あたらしい時代におけるミニの代表例が、プラグインハイブリッド(PHEV)だ。外部電源による充電可能のハイブリッド車である。満充電であればモーターだけで航続距離48km(WLTP)を誇る。2030年代前半までにラインナップの完全電動化を目指すというミニにとって、PHEVは重要なステップのはずだ。
ここで紹介する「MINI Cooper SECrossover ALL4 Untamed Edition」は、1.5リッターガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた4輪駆動のCooper SEALL4 PHEVがベース。モメンタムグレーの専用外板色に加え、「MINI Yours」なる特別仕立ての「レザーラウンジ」コンセプトの内装。深みのある青と緑を使ったシート地など、印象ぶかい。
市街地だと特に、モーターによるキビキビとした動きが楽しめるPHEV特有の操縦感覚と、気分が浮き立つ内外装の組み合わせ。冒頭でふれたオリジナル・ミニの製品コンセプトが守られている証拠といえる。
サブネームの「Untamed」は、飼い慣らされていないという意味だから、このクルマでも自然界のモチーフを取り込んだデザインが随所に見られる。いまの地球環境を持続させるサステナビリティの概念ともPHEVは相性がいい。主張のあるクルマなのだ。