「副業をばりばりやっていると、自然な流れで自分で事業を経営するようになるかもしれない」と話すのは、業界団体の米国人材派遣協会(ASA)会長で最高経営責任者(CEO)のリチャード・ウォールクィスト(Richard Wahlquist)だ。「職業の世界は変わりつつある」
Upworkが2022年12月に発表した調査リポートによれば、過去1年にパートタイムもしくはフルタイムでフリーランスの仕事を受けたことがあると回答した割合は、米国の労働人口の39%、数にして約6000万人だった。2021年比で3ポイントの増加だ。
「フリーランスの仕事は、家計を助けるためだけにやることではない」と話すのは、Upworkのタレントソリューション担当バイスプレジデント、マーガレット・リラニ(Margaret Lilani)だ。「フリーランスは、本当のキャリアの一部だ」
専門家に言わせれば、副業は今後も増えていくだろう。それどころか、リンクトインが発表した2023年の「ビッグアイデア」リストには、若いZ世代の労働者を中心に、副業が「支配的になる」とさえ書かれている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが2022年10月に発表した調査結果では、働くZ世代の51%が、請負業者やフリーランサー、臨時雇用者、ギグワーカーという独立した形態で仕事をしていると回答した。全年齢層の場合は、36%にすぎない。
景気低迷が迫りつつあると言われるなか、ASAと調査会社ハリス・ポールが米国で働く2000人を対象に共同実施した調査では、「1年以内にセカンドジョブ(副業)を始めて収入の足しにしたい」と答えた人は58%だった。1年以内に新しい仕事を探したい人(39%)や、キャリア変更を計画している人(30%)を大きく上回っている。
フリーランスにまつわるスティグマ(負のイメージ)が薄れているうえに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを機に、リモートワークに切り替えたり学校に戻ったりと、人々が方向転換したことで、チャンスが生まれているとリラニは話す。
フリーランサーはこれまで、臨時で雇うパート雇用者という位置づけだった。しかしいまでは、フリーランスの仕事は「すきま時間にやるものではなく、キャリアであり、企業が社内では得られない付加価値を得られる」ものになっている。
(forbes.com 原文)