アカデミー賞をなぜ日本映画は取れないのか

『トップガン マーヴェリック』主演のトム・クルーズ(Photo by Christopher Jue/Getty Images For Paramount Pictures)

やはり同様の理由だ。
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アニメは原作が漫画や劇画で、既にカット割りが出来ているものを映像化することが多い。オリジナル作品でも、完成度の高い絵コンテから動画を起こしていくものが大半である。

こうして完成した映画作品は、欧米基準の実写映像と隔たりが無く、外国人にも違和感なく受け入れられる。

Saikorn / Shutterstock.com

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『パラサイト』受賞の背景

韓国や中国は、1980年代には欧米の記号論に基づいて作品を製作しなければ、国際流通に掛けられないことに気付き、国主導で専門高等教育に力を入れた。
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有望な学生を選抜し、欧米や豪州の著名映画監督や制作技術者を招聘するとともに、ハリウッド周辺の南カリフォルニア大学やUCLA、AFI(アメリカン・フィルム・インスティテュート)に国費留学させ、国際基準の手法で作品を製作できる人材の教育制度を確立した。

例えば、北京電影学院は、英語教育学部も設立して海外からの留学生も迎え入れ、ジェームズ・キャメロン監督などを特別講師として招聘している。

84年に国家戦略により映画振興公社が設立した韓国映画アカデミーは、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督をはじめ、既に500人ものハリウッド基準の現場で通用する人材を輩出している。

『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督(Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)

『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督(Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)


日本映画の海外進出支援には、クールジャパンの名のもとに巨額の公費が投じられてきたが、今こそ本腰を入れて、戦略的に、世界市場で通用する実写映画を製作できる新世代クリエーターを育成しなければならない。

産官学が共通認識を持って、日本映画の再興に動き出すことを期待したい。

連載:スポーツ・エンタメビジネス「ドクターK」の視点

文=北谷賢司 編集=宇藤智子

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