査読付きの科学ジャーナル「Journal of Epidemiology & Community Health」に掲載されたこの研究は、2016年から2018年にかけて、46歳から47歳の英国人4400人以上を対象に実施されたもので、科学者は参加者に最大7日間、活動レベルをモニターするトラッカーを装着してもらい、その間の身体活動が記憶力と単語処理などの認知機能に与える影響を評価した。
その結果、8分間の活発な身体活動を、座って行うような行動に置き換えた場合、参加者の認知スキルのスコアが1%から2%低下することが示された。さらに、7分間の中程度から強度の身体活動を軽度の活動に置き換えた場合は約1.3%、睡眠時間に置き換えた場合は約1.2%、スコアが低下していた。
一方、9分間の座りっぱなしの活動を活発な活動に置き換えた場合、参加者の認知スコアは1.3%向上した。
研究者たちは、子供や高齢者の活動レベルが、認知・行動機能の改善や長期的な身体状態の改善に関連していることも明らかにしている。
昨年7月にJAMA(Journal of the American Medical Association)に掲載されたある研究では、65歳から86歳の成人の筋肉量の低下と認知機能の低下に関連があることが示された。また、英国で行われた別の研究では、握力が低いほど認知症になるリスクが高いという結果が示された。米国疾病管理予防センター(CDC)は、成人に週に150分以上の適度な運動を推奨しているが、より高いレベルの身体活動が問題解決能力と記憶力を向上させ、不安や抑うつを軽減すると述べている。
(forbes.com 原文)