ロシアとベラルーシの選手は、自国を代表しない「中立」の立場であれば参加が認められる。ロシアによるウクライナ侵攻を積極的に支持する選手は出場を認められない。
IOCは、両国の選手の出場を認めることが、「五輪の統一的ミッションの一部」であると述べ、ウクライナの選手を引き続き支援していくことを付け加えた。同機構は以前、ロシアのウクライナ侵攻を理由に、ロシアとベラルーシの選手の国際競技会への参加を禁止するよう勧告していた。
ロイターの報道によると、ゼレンスキー大統領は24日、フランスのマクロン大統領と話し合いを持ったことをテレグラムで明らかにし「私は、パリ五輪にロシア選手の居場所はあるべきではないと強調した」と、来年の五輪からのロシア勢の排除を要望したという。
大統領は、2022年2月のウクライナ侵攻の開始以来、184人のウクライナ人選手が死亡したと主張している。「平和な生活の基盤が破壊され、人間の普遍的価値が無視されているときに、中立では居られない」と、大統領は先月、IOCのバッハ会長との面談で述べたという。
IOCは、今回のロシアとベラルーシの選手に関する決定が、1992年のバルセロナ五輪で、国連から制裁を受けていた旧ユーゴスラビアの選手たちが “独立したオリンピック参加者”として参加を許された、同様の決定を参考にしたものだと述べた。
ロシアオリンピック委員会は、2014年のソチ五輪で、ロシアの国家ぐるみのドーピングが発覚して以来、過去10年間でいくつかの制裁に直面している。そのため、ロシアの選手は2016年以降のすべての国際大会で、ロシアオリンピック委員会の英語表記(Russia Olympic Committee)の頭文字を取った「ROC」という呼称を使用し、オリンピック旗を掲げて競技している。
ロイターによると、ロシア国旗の下での選手の参加を禁止する制裁は2022年12月に失効することになっていたが、世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシアを復帰させるかどうかを明言していないという。
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を受け、IOCは、スポーツの力で平和と対話を促進することを目的とする「オリンピック休戦」の協定をロシアが破ったことを「強く非難する」と述べていた。
(forbes.com 原文)