データ分析推進派に立ちふさがる企業文化の壁

CDOのミッションは変化している(Getty Images)

ほとんどの組織が、データ分析(アナリティクス)に取り組む重要性を認識している。それらの多くがその目的のためにに専任の管理職、すなわち最高データ責任者(CDO)や最高データ分析責任者(CDAO)を任命しているほどだ。しかし、新任CDOやデータ分析の推進者たちは、依然として手強い障害に直面している。企業文化という抵抗だ。

そのような課題を報告しているのは、Wavestone NewVantage Partners(ウェーブストーン・ニューバンテージ・パートナーズ)が発表したデータおよび分析上級管理職を対象とした調査だ。この調査の著者であるトム・ダベンポートランディ・ビーンは「多くの組織が、データと分析への投資からビジネス価値を生み出すことに依然として苦労している」と述べている。「企業のデータおよび分析リーダー職の離職率は高いままだ。データおよび分析の能力と取り組みに対する投資はかつてないほど大きくなっているものの、企業は、こうした能力を企業内に定着させ、組織の文化を変革するには時間がかかるという認識を深めている」

調査の著者らは「データリテラシー」を投資の最優先事項とした回答者が2%未満であり、データリーダーが直面する問題がさらに困難なものになっていると指摘している。

組織におけるCDOやCDAOの肩書きは急増している。先の調査では、83%の組織がCDO/CDAOを任命したと報告しており、これは2012年に行われた最初の調査の12%から増加している。しかし、その役割はまだ明確にはなっていない。「CDO/CDAOの役割が組織内でよく理解されている」と回答した企業は41%に過ぎない。一方、役割が明確に定義されていると回答したのは36%で、1年前より12ポイント減少している。ダベンポートとビーンは「これらの結果は、CDO/CDAOという役割の新しさ、成熟度の低さ、そして明確に求められる目標のなさを反映している」と書いている。
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翻訳=酒匂寛

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