論争の発端は昨年1月、女性キャラクターの「グリーン」の履く靴が、ひざ丈のゴーゴーブーツからスニーカーに変更されたことだった。M&M'Sを展開するマースは当時の声明で「誰もが自分の居場所があると感じられる世界をつくる」と述べ、グリーンのデザイン見直しについては「強い女性としての自信やエンパワーメント、そしてブーツよりもそれ以外の多くのことで知られているというあり方」を反映したものと説明していた。
スポークスキャンディーが登場した1990年代、グリーンはブルー、イエロー、レッドという男性キャラクターたちのなかの紅一点だった。グリーンのセクシーなブーツやキャラは「グリーンのM&M'Sは媚薬だ」という俗説に由来すると言う人もいる。
2012年には、もう一人の女性キャラクターとしてブラウンが加わった。グリーンの靴の変更にあわせて、ブラウンが履く靴も、尖ったスティレットヒールのパンプスから、より快適そうな、高さを抑えたブロックヒールのパンプスに変えられた。
こうした変更が女性に力を与えるものだという考えに、保守派から異論の声が上がった。FOXニュースの司会者タッカー・カールソンは、ぺたんこ靴のキャラクターには魅力を感じられず、付き合いたくない(少なくとも一緒に飲みたいとは思わない)と言い放った。FOXでコメンテーターを務めるカット・ティンプも、グリーンは「変わり身の早い悪女」と断じ、グリーンのような女性からは逃げるべきだとの自説を述べた。