保守派の批判に配慮? チョコブランドM&M'Sのキャラが活動休止

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保守派がいよいよ我慢ならなくなったのは、M&M'Sが国際女性デーの啓発のため、昨年12月に発表した新パッケージだったのかもしれない。この限定パッケージは、キャラクターが全員女性のグリーン、ブラウン、パープルの3色の詰め合わせで、1点あたり1ドル(約130円)、最大で計50万ドル(約6500万円)が女性支援団体に寄付されることになっている。これも問題視されるようなものではなさそうだが、FOXのある司会者は中国を勇気づけるものだというふうに捉えた。

これまでのメッセージの伝え方に見切りをつけたのか、M&M'Sは今月23日、分極化は望んでいないとし、今後の広告ではスポークスキャンディーに代えて女優でコメディエンヌのマーヤ・ルドルフを起用することをツイッターで明らかにした。M&M'Sによると、スポークスキャンディーたちは「新しい道で別の情熱を追求」していくことになるという。

いくつかの調査によると、若者の大多数は社会問題に対する態度を明確にしているブランドの製品を購入したいと考えている。ある調査では、自分が関心をもつ事柄の擁護者だからという理由でその企業の製品を購入するという人は87%にのぼった。逆に、ある企業が自分の信念に反する立場を支持していることがわかると、76%の人はその企業の製品やサービスの購入を拒否すると答えている。つまり、ある問題について態度を明確にすることにはリスクもともなうということだ。

M&M'Sは今回の決定によって、包摂性や女性のエンパワーメントはそうしたリスクに見合わなというメッセージを送ってしまっているように思える。女性やLGBTQの人たちが、自分たちのために擬人化されたキャンディーを必要とするわけではない。とはいえ、保守派からの反発を受けてスポークスキャンディーをお払い箱にするという対応は受け身だし、これらのグループのための闘いは無価値だと言っているようなもので侮辱的でもある。

今のところ、マースのウェブサイト上ではスポークスキャンディーたちの姿がまだ見える。M&M'Sがこの措置を再考する余地はあるのかもしれない。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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