相手に「やり直しの機会」を与える前に考慮すべき4つのこと

Getty Images

セカンドチャンス(やり直しの機会)の与え方は難しい。自分を傷つけた相手を再び自分の人生に受け入れるという選択は、相手が距離を置いた家族であっても、消え去った友情であっても、くすぶり続けている昔の恋人であっても、決して簡単なことではない。

ここでは、誰かにセカンドチャンスを与えるかどうかを判断する際に使える4つのポイントについて紹介しよう。

1. 相手は自分の行動の責任を受け入れているのか?

まず第一歩は、相手があなたを傷つけるようなことをしたと理解しているかどうかを判断することからだ。次のような質問を自分に投げかけてみよう。

・相手はまるで何事もなかったかのように振舞っているか?
・相手はこちらを過敏すぎると責めているか?
・相手は純粋に自分の誤りを認め、問題が起きたことを謝っているか?

あなたが避けたいのは、まるであなたが無駄に感情的になっているように思わせられたり、無視されたような気持ちにさせられたりすることで、感情操作のサイクルに巻き込まれることだ。

健全な人間関係のために、非難合戦をするのではなく、自分の行動に責任を持ち、結果を受け入れることが必要なのだ。

相手が自分のとった行動をきちんと認めることで、信頼と信用が育まれる。またそこには、関係をうまくいかせるために、批判を受け入れようとしている姿勢もうかがえる。

こうして相手が自身の行動の責任を認めていると感じたら、次の質問を自分に投げかけてみよう。

2. 相手を許せるだろうか?

嫌なことの後で、次のような疑問が湧いてくるかもしれない。

・なぜ、相手にもう一度チャンスを与えるべきなのか?
・あなたを傷つけた相手に、もう一度チャンスを与えるべきなのか?

こうした「べき論」に答えようとする前に、まず、あなたが彼らの過ちを許せるかどうかを判断する必要がある。これを怠ると、どんな和解の試みも無駄になる可能性がある。

過ちは人の常。それ故に、私たち全員が相手を許せる度量を持つことが重要なのだ。人間関係におけるセカンドチャンスを考える前に、まず相手を許すことが絶対条件だ。

『Journal of Personality and Social Psychology(人格と社会心理学誌)』に掲載されたある研究によれば、許しは復讐とは対照的に、人間らしさという深い感情を生み出すことがわかっている。著者らによると、もし自分を傷つけた人を許そうとできないままなのなら、許しを与える上での個人的な壁は何かを自問して、許せない状態のままでいることが自分の精神的幸福にどのような影響を与えているかをじっくりと考えるべきだという。
次ページ > 相手は成長したのか? その成長を保てているか?

翻訳=酒匂寛

ForbesBrandVoice

人気記事