相手に「やり直しの機会」を与える前に考慮すべき4つのこと

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その上で、許しへのステップを歩み始める準備ができているかもしれないと判断した場合には、次のような質問を自分に投げかけてみてほしい。

・自分は相手の行動とその原因について、正確に理解しているだろうか?(もしそうでなければ、相手との対話が役に立つかもしれない)。
・自分が相手の行動を理解し、共感する道筋はあるだろうか?
・誰かを傷つけた後、自分が思いやりや許しを受ける側になったことがあるだろうか?そのときどのように感じただろうか。
・相手との人間関係は、投資する価値があるものだろうか。

重要なことは、許すという行為は相手の罪を見逃すことでも、罪を犯した相手が行動に対する責任から解放されることでもないということだ。人を許すことで、自分自身の人間らしさを取り戻すことができるのだ。

3. 相手は成長したのか? もしそうなら、その成長を保てているのだろうか?

相手に変化を求めるのは、決して簡単なことではない。それが成功するかどうかは、その変更への願いに対する双方の態度に大きく関わっている。

『Journal of Social and Personal Relationships(社会ならびに個人関係誌)』に掲載された研究によれば、変わろうとする側がその過程で支援されていると感じ、変化を求めた側がその過程でフィードバックを返し続けることが大切なのだ。なので、もしあなたが他の人に変化を求める側なら、その人の努力が成果を上げていることを伝え続けよう。

また、変化を求められた側は、そうした要求は相手が自分に対して本気で向き合っていることの証拠だと理解する必要がある。このように考えれば、変化への要求へのモチベーションが上がり、腹も立ちにくくなる。

元パートナーや元友人が感情的な成熟度を欠いていたり、そもそも問題を引き起こしたりするような行動を続けている場合、彼らとやり直すことは、自分が懸命に取り組んできた心の癒しが損なわれるかもしれないことに気をつけよう。

4. 新しい期待を十分に伝えただろうか?

生きていくにつれて、自分の理想やニーズ、欲求も変化していく。なので、新しい期待を周囲に伝えることが肝心だ。

『Review of General Psychology(一般心理学レビュー誌)』に掲載された最近の解説論文には、健全な人間関係に期待される特性の例が挙げられている。

・相互信頼
・関係への対等なコミットメント
・相手の経験や感情に共感し、受容する
・関係に対する感謝
・相互理解と歩み寄り
・違いの尊重

人類のすばらしい能力の1つ

お互いにセカンドチャンスを与えることができるのは、人類のすばらしい能力の1つだ。しかし、それは賢く使わなければならない。自分も相手も、もう一度うまくいくように努力を惜しまないと思えたときだけセカンドチャンスは与えられるべきなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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