しかしそんな中、史上初めて試験に活用された。このテストは、ペンシルベニア大学ウォートン校ビジネススクールの教授が設定した MBAのコア科目である運用管理コースに関するものだった。
クリスチャン・ターウィッシュ教授は、「ChatGPT3は、試験でBからB-の評価を受けただろう」と論文に書き、フィナンシャルタイムズがこれを引用している。「これは、ビジネススクールの教育にとって重要な意味を持つ」。
ターウィッシュ教授によると、「OpenAIのChatGPT3は、一般的に報酬の高い知識労働者、特にアナリスト、マネージャー、コンサルタントなどMBA卒業生が就く職種の、知識労働者のスキルの一部を自動化する驚くべき能力を示した」。
同教授は、ChatGPTは「ソフトウェアのコードを書く、法律文書を作成する」といった「専門的な作業」を行うことができると書いている。さらにターウィッシュ教授は「ケーススタディに基づくものを含む基本的な運用管理およびプロセス分析の質問において、驚くべき仕事をする」と結論づけもした。
ターウィッシュ教授は論文でさらに、「答えが正しいだけでなく、解説も素晴らしい」と述べている。
これは、教育者、そして自動化の時代に生きるすべての懸念と関心が集まる問題であろう。学者たちは、機械学習の支援技術が非常に高性能になったため、ChatGPTやGitHubのCopilot(CodexというOpenAIモデルをベースにしている)のような支援システムの台頭によって「教師は教え方や試験の採点方法を見直す必要があるのでは」と問題提起している。
ただし、数学に関しては限界があるようだ。ターウィッシュ教授は「簡潔さ、言葉の選択、構成など、言葉遣いの美しさにはただただ圧倒された。しかし、数学はとてもひどい」と語っている。
フィナンシャルタイムズはロンドンのImperial College Business Schoolの学部長Francisco Velosoの次の発言を引用している。
「われわれは真剣に議論しており、ワーキンググループで、ChatGPTのほか、優秀かつ創意に富む学生たちが使っている他の類似ツールを分析している。われわれはまもなく、これらの技術に関するポリシーを策定できると思う」。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」からの転載である。)