スポーツ

2023.01.25

身売り中止のエンゼルス・オーナーが直面する最大の課題

Photo by Tom Pennington/Getty Images

これに対し、モレノは市を訴える考えを示した。この契約については、交渉中にハリー・シドゥ前市長がエンゼルスに内部情報を提供した疑いがあるなどとして、FBIが汚職に関する調査を行っていた。

大谷を維持できるか?

76歳のモレノにとって、今後に向けての大きな課題は、所属するスーパースター、ベーブ・ルース以来、最も得点高い能力の高い二刀流の選手として活躍する28歳の大谷翔平をどうするかということだ。

大谷は2023年シーズンの終了後には、フリーエージェントとなる。新たに結ぶ契約に必要となる総額は5億ドル(約650億円)、年俸は4500万~5000万ドルになるとの見方もある。

確かに、エンゼルスの2022年シーズンの利益は、2500万ドルを超えたとみられ、チームの財務は安定している。だが、モレノが大谷の獲得に向けて動いているとうわさされるロサンゼルス・ドジャース以上の年俸を提示できるかどうかは、不透明だ。

たとえ大谷を維持することができたとしても、モレノが7年連続で負け越したチームを強化するため、その他の選手をそろえるのに必要な金額を用意することは、難しくなるだろう。エンゼルスが選手たちに支払う給与の総額は2022年シーズン、MLB全体で10番目に多い金額だったと推定されている。

検討していた球団売却を見送ると発表したモレノは、「私たちの心はいまもエンゼルスとともにあることに気付いた」と語った──その“心”には、30億ドルの値段がついていたかもしれない。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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