大学時代の友人がTwitter(ツイッター)で私をタグづけして説明を求めるまで、この話題となっている写真のことは知らなかった。写真を見ると、レンズ雲(lenticularis)だとはっきりわかった。
NASAによると、レンズ雲が出現するのは「複雑な地形に強い風が吹き、空気中の水蒸気が交互に圧縮、減圧され、その結果、その下にある地形を反映したような形状に凝縮された」ときだ。
米国気象学会(AMS)用語集によると、レンズ雲は「雲の種類の1つ。ある程度独立した、一般に滑らかなレンズあるいはアーモンドのような形状で、輪郭がはっきりしており、虹色効果(irisation)を示すことがある」とある。虹色効果とは何か? それは彩雲に見られるさまざまな色のことだ。AMS用語集は「虹色効果は、通常数次にわたる光学的回折現象の結果起きる」と説明している。雲粒や氷の粒子の集合は、その中の狭い部分や縁にそって通る光を拡散あるいは屈折させる。ある種の雲(頭巾雲やレンズ雲、および一部の巻雲)では、鮮やかな色彩が見られることがある。
トルコ発の話題の画像は、日の出の瞬間かそれに近い時間に撮られたもので、そのことからもこの色を説明できるだろう。日の出と日の入りのとき、太陽は地平線近くの低い位置にある。光が通過する大気が多いため、青や紫などの短い波長の光は拡散する。その結果、より波長の長い可視光(黄色、橙色および赤色)がより鮮明になる。空気にほこりが多かったり汚染されていたりすると、橙黄色はいっそう鮮やかに見える。
いつも空を見ていると、いろいろと不思議なものが見つかる。
(forbes.com 原文)