ゴヤル大臣は23日に開催されたビジネス会議で、世界の製造拠点としてのインドの可能性について語り、アップルが「もう一つの成功事例になる」と述べた。
大臣は、アップルの総製造量のうち、インドがすでに「約5〜7%」を占めていると述べ、「25%まで引き上げることを目標としている」と語った。また、アップルが最新モデルのiPhone 14のインドでの製造を開始したことにも言及し、旧モデルや格安モデルのみをインドで生産していた以前の戦略からの転換を示唆した。
しかし、大臣はアップルがいつ25%の目標を達成できるかなどの、詳細には触れなかった。フォーブスはこの件でアップルにコメントを求めている。
ゴヤル大臣の試算は、昨年JPモルガンが発表した、アップルが2022年末までに世界のiPhone 14の製造の5%をインドに移し、2025年までにiPhoneの製造全体の25%に拡大するという予測と一致する。アップルはこの動きの一環として、中国のサプライヤーをインドに呼び寄せ、拠点を設置させようとしている。
先週はインドの複数のメディアが、インド政府が中国のサプライヤー14社に対して予備的認可を与えたと報じた。これらのサプライヤーは今後、インドの当局の要件を満たすため現地企業と合弁会社を設立することになる。
ゴヤル大臣の発言は、アップルが中国への依存度を下げる努力をしていると報じられる中で飛び出した。アップルのこの動きは、米中間の対立が長年にわたって激化し、昨年は中国政府のゼロコロナ政策がサプライチェーンに大きな混乱をもたらしたことを受けてのものだ。
ブルームバーグによると、iPhone 14の世界の製造台数は、目標を600万台近くも下回ったという。世界最大のiPhone工場である鄭州工場では、従業員がボーナスの支払いの遅延や劣悪な労働環境に抗議した結果、製造に大きな遅れが発生した。
アップルは、今年初めてインドにアップルストアをオープンする予定だ。この店舗は、アップルが昨年インドの財閥のタタと結んだ、ムンバイを皮切りに全国で100店舗をオープンするための契約の一部とされる。
(forbes.com 原文)