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2023.01.30

「プロコン」リストでは正しい決断を下せない理由

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この認知現象により、目標が「成功か失敗のどちらか」しか許されないものになってしまうのだという。例えば、エベレストの山頂を目指していたが、悪天候によって頂上まであと100メートルの地点で引き返さざるを得なかったとする。そこまで到達できたことは素晴らしい成果であるのにもかかわらず、自分は失敗したと思ってしまう。「これは、頂上目前で多くの人が亡くなっている理由のひとつとなっている。登り続けるべきでない状況で山頂を目指してしまった。人は損失を負ったまま心のアカウントを閉じたくないのだ」とデュークは指摘する。

目標や抱負を立てる際には、「ただし」という逃げ道を必ず含めること。例えば、「このマラソンを完走する。ただし、けがをしたら棄権する」とか、「この昇進を手にする。ただし、上司から倫理に反する行動を求められたらあきらめる」といった具合だ。

「逃げ道があると、精一杯頑張ろうとする気持ちがなくなると思い込んでしまうこともあるが、その考え方は誤りだ。目標を達成したいという気持ちには変わりはない。ただ、脚を骨折して目標が達成できないというだけだ」(デューク)

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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