宇宙

2023.01.23 13:30

金環皆既日食から13回の満月まで、今年の月について知っておくべき7つのこと

南半球から見た欠けていく三日月のすばらしい画像。月の表面は宇宙からやってきた隕石が衝突してできたクレーターでいっぱいだ。撮影には80mm APOリフレクターを使用した(Getty Images)

あなたはムーンゲイザー(月を観測する人)だろうか? 2023年はそうなるべき年だ。これからの12カ月間、天体観測者や天文マニアは、珍しい日食を2種類、いくつかのスーパームーン、部分月食、さらには月と惑星たちの美しい接近をいくつか見ることができる。

2023年の月とその動きについて知っておくべきこ7つの事実を以下に挙げる。その多くが目を見張るような景観を生むはずだ。

というわけで、今すぐカレンダーに印をつけて、文字どおり息を呑むような月の姿の数々を見る準備をして欲しい。

1. 珍しい2種類の日食

日食は、新月が太陽を横切るときに起きる。2023年にはそれが2回あり、いずれもすばらしい景観を地球に提供してくれる。

2023年4月20日、希少な金環皆既日食(ハイブリッド日食)が起きる。皆既日食と金環日食(ring of fire)のコンビネーションが、西オーストラリア、東ティモール、および西パプアで短時間の胸躍る皆既日食をもたらす。

訳注:4月20日の金環皆既日食の日、日本では南西諸島、九州南部、四国南部、近畿南部、伊豆半島~房総半島、小笠原諸島などで部分日食が見られる(13時30分~15時ごろ)

また太陰年で半年後の2023年10月14日、金環食がオレゴンからテキサスまで米国南西部の各州で見ることができる。対象地域には米国の国立公園も多く含まれている。


皆既日食の最中にはダイヤモンドリングを見ることがでくる(Getty Images)

2. 2023年の満月は13回

私たちが「年」というとき、それは太陽年を意味している。地球が太陽を周回するのにかかる時間であり365日だ。しかし、月には354日の独自の「年」がある。これは12朔望月(月が地球を1周する時間)にあたる。月の1朔望月は平均29日であるため、1太陰年は354日になる。

この太陽年と太陰年の11日間のずれは、2.7年ごとに、1暦年の間に「もう1回」満月が現れることを意味している。

1暦年(calendar year)に13回の満月が起きるために必要なのは、最初の満月が年の初めの11日間以内になることだけであり、今年はまさにそれが起きる。


半影月食。2020年1月10日、インド、ムンバイ(Getty Images)

3. 5月には「フラワームーン食」

北半球の春で2度目の満月は、地球に遮られる。満月が地球のぼやけた半影に進入して微かな半影月食になる。ただし見えるのはアジアとオーストラリアからだけだ。

訳注:日本では全国でほぼ全過程が見られる(未明~明け方)

それ以外の人たちにとってこの満月を見る最適なタイミングは、2023年5月5日金曜日の月の出だ。
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翻訳=髙橋信夫

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