きっかけはタランティーノ映画。美術監督・種田陽平がポータークラシックの店舗をデザイン

(左から)ポータークラシックの𠮷田玲雄社長、美術監督の種田陽平

──店舗の商品を引き立たせるようなデザインとは?

種田:映画のセットと違うのは、色ですね。映画のセットの場合は、色の制約があるようで少ないんです。映画は、外でのロケとのつながりで色が決まるからです。

でも、店舗の場合は、商品と空間との調和が重要になります。例えば、今回店内で使った色は、木の色が茶色で壁の色がブルーグレーに見えると思います。が、実はよく見ると、それぞれ5色くらいあるんです。赤っぽい茶色や黄色い茶色、ブルーグレーでも青が鮮やかだったり鈍色に近かったり。

あと、照明が違います。映画の場合は画角内の“その場”を照らすというやり方ですが、店舗の場合はそうもいかない。壁はこの色、そのための照明はこれ、と分かれているんです。たとえば船長室はフランス映画風にやりたいとか、それぞれで考えています。

店舗の全景。壁や照明の色は、場所によって少しずつ違う / ポータークラシック提供

──今後、この店舗とともにブランドとしてどのように歩んでいきますか。

𠮷田:ポータークラシックは、裏切ることのないお客さんに守られています。今回、コロナ禍で業界全体が苦戦しているなかで、ウチは変わらずファンの人たちの支持を得ていました。

ですので、そういったファンの方々の心を動かすようなブランドであり続けることが、我々の義務だと考えています。

文=稲垣 伸寿 編集=田中友梨 写真=山田大輔

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