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2023.01.31

15秒小話で診断、ビジネスパーソンが自覚すべき「潜在的思い込み」とは

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潜在的思い込みで、相手の事や目の前の出来事を歪めて判断してしまうことは、実は、避けることはできません。さらに言えば、潜在的思い込みで、人や出来事を判断すること自体は、必ずしも悪いことではありません。

潜在的思い込みがあるので、私たちは効率的にコストをかけずに、人づきあいや物事に対処できます。潜在的思い込みがなかったら、人や物事を判断するのに、集積している情報をいったん脇に置いて、毎回、一から情報収集をしなければなりませんが、潜在的思い込みがあれば、過去の経験や知識や技能を即座に使うことができます。

また、潜在的思い込みがあるので、それと矛盾する新しい情報に出くわし、新しい情報の意味を知った時に「ああ、そうか」と深く納得し、「へえ、そうだったのか」「おもしろい!」などと驚いたり、楽しんだりしながら新しい情報を取り入れて、「情報のかたまり」をバージョンアップすることができます。

企業が掲げているイメージ戦略やブランドイメージ、あるいは個人が獲得しようとする信用や信頼は、潜在的思い込みがなれば成立しません。潜在的思い込みがあるから、イメージ戦略が成り立ち、ブランド品が売れ、信用に基づいたビジネス展開が可能になっているのです。

つまり、潜在的思い込み自体は悪いことではないのです。心得ておくべきことは、「潜在的思い込みは、悪い結果を生むことがある」ということです。ですから、めざすべきことは、潜在的思い込みを減らすことではなく、潜在的思い込みが生む悪い結果を減らすことです。

では、そのためには、どうしたら良いのでしょうか?

潜在的思い込みの弊害を減らすために

第1に、すでに述べたように、「私たちは、潜在的思い込みで、自分の周りの事を、自分が見たいように見ている」ということを自覚することです。この自覚が、潜在的思い込みの弊害を減らすための第一歩です。この記事を読んだあなたは、この第一歩を踏み出したはずです。

第2に、頭の中の「情報のかたまり」を常にバージョンアップすることです。

潜在的思い込みによって、事実を歪めて判断してしまったことが分かった時は、新しい情報を取り入るチャンスです。たとえば、性別、年齢、国籍、障がいの有無、価値観、雇用形態が異なる人に対して、潜在的思い込みによる誤認や事実の歪曲、過小/過大評価をしたことが分かったならば、素直に、新しい情報を自らの「情報のかたまり」の中に加えましょう。
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文=相川 充

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