「東京型スマート農業」に世界から視察 5Gで未経験者を育成

写真提供=NTTアグリテクノロジー

世界各国から視察が訪れる

高度な環境制御技術や労働力の最適化で大規模農業に成功しているのがオランダとスペインだ。特にオランダは日本の約4割程度の面積であるにもかかわらず、世界第2位の農業大国。NTTアグリテクノロジーもオランダへ農業視察を行い、大規模施設園芸における栽培法や半自動化・標準化されたオペレーションに影響を受けたという。

一方で、日本で施設園芸をする際には、四季をはじめ多様な環境変化に対応したり、大規模施設園芸に対するグロワーやワーカーの経験不足を補ったりする必要がある。そのため、海外の知見に加えて労務管理や作業管理といった「ヒト」に着目したモニタリングを加え、施設全体のデジタル化を推進し、さまざまな状況に即応しやすい施設づくりを目指している。

すでに世界各国から東京に「ローカル5Gを活用した最先端農業」を視察する農業関係者が訪れている。「海外から訪問しやすい東京に、スマート農業の現場があるからこそ注目されやすいのだと思います」と中西氏は東京発のトライにメリットを感じている。

海外からの視察団が調布市の最先端農業ハウスを訪問。ICTを用いた遠隔での農業指導という日本らしい発想に驚き、遠隔での生育チェックに耐えうる高画質な画像データなど最先端テクノロジーに興味をもつ人が多い。

海外からの視察団が調布市の最先端農業ハウスを訪問。ICTを用いた遠隔での農業指導という日本らしい発想に驚き、遠隔での生育チェックに耐えうる高画質な画像データなど最先端テクノロジーに興味をもつ人が多い。


同社は農業の最先端技術を海外で指導・普及させる活動も視野に入れている。東京発の農業システムが日本の農業の課題だけでなく、世界的な食料危機を解決する一つのメソッドとなるかもしれない。

取材・文=小野寺ふく実 写真提供=NTTアグリテクノロジー

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