太陽で突然「Xクラス」のフレア発生、その理由と地球への影響

NASAの太陽観測衛星(SDO)が捉えた太陽フレアの画像。画面左の明るい閃光となって見えている。2023年1月9日撮影(NASA/SDO)

太陽望遠鏡では太陽表面の小さな点として見えるが、そのサイズは巨大にもなりうる。黒点の出現頻度は、太陽物理学者にとって太陽活動がどれほど強力(あるいはその反対)かを測る主要な指標であり、現在、黒点はあらゆる場所に存在する。事実、仮に太陽黒点の発生状況が現在の頻度で1月いっぱい続けば、月間の太陽黒点数は過去20年で最大になるとSpaceweather.comは述べている。

これまで第25太陽活動周期は、太陽の裏側で黒点を作り出していることで知られているが、1月9日、NASAの太陽観測衛星は極紫外線放射事象を捉えた(メイン画像)。その放射は太平洋に短波の電波障害を起こした。



地球における太陽フレアの影響は突発的なものだが、その後にしばしば起きる現象はより気づきやすい。黒点と太陽フレアから、コロナ質量放射(CME)が発生することがある。CMEは太陽コロナのプラズマと磁場の大規模な発生であり、地球に届くまで15~18時間かかる(太陽系のあらゆる方向に向けられる可能性がある)。CMEが地球に訪れると、地球の磁場を著しく乱す磁気嵐を生じさせる可能性がある。

米国海洋大気庁(NOAA)宇宙天気予報センターの予報チームは、Mクラス太陽フレアとCMEが磁気嵐を起こす可能性があると予測している。

これは、強力なオーロラが発生するかもしないことを意味している。


アイスランドのオーロラ(Getty Images)

今後、考えられる結果の1つがより強力で頻繁なオーロラの出現だ。CMEが訪れると、地球の磁気圏が極に向かう磁力線に沿って荷電粒子を加速する。その結果、より明るいオーロラがより頻繁に発生する。

通常、北極圏と南極圏がオーロラを見るのに最適な場所だが、強力な磁気嵐の期間中は「オーロラオーバル」のサイズが大きくなるため、普段はオーロラを見ることができない地域、たとえば米国や欧州西部に住む人たちも時々目にすることができる。ソーラーマキシマムに近づいている現在、オーロラは最も頻繁に発生し、最も壮観だ。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=髙橋信夫

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