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2023.01.23 09:00

Amazon AlexaのMatter規格対応でスマートホームはさらに進化

AAHDK内での認証情報の共有により、Thread(スレッド)IoTネットワークプロトコルを使用したデバイスでのMatterの設定が容易になり、アレクサと開発者アプリ間でのThread認証情報の共有が簡単になる。認証情報共有を選択したユーザーは、新しいMatterデバイスをセットアップする際にThread認証情報を手入力する必要はない。アマゾンによれば、これによりユーザーが自宅で単一のThread対応ネットワークを維持することが容易になって、より広い範囲で信頼性の高い体験が提供されるという。別のスマートホームプラットフォームでは、使っていたWi-Fiの帯域が違ったために、別室にいるときに電気を消せなかったことが何度あったかわからない。認証情報の共有が統一されるだけでなく、セキュリティの観点からも、アレクサと開発者アプリにまたがる安全なThreadネットワークを維持することが容易になる。

アマゾンによると、新しいグループ同期機能により、ユーザーは複数のアプリでグループを手動で複製することなく、簡単にスマートホームを設定・管理することができるようになるという。また、グループ同期は、アレクサのスマートホームエコシステムをよりシンプルにし、デバイスの新しい利用方法も可能になると思われる。たとえば、アラームが鳴るたびに、ある部屋の照明が点灯したり、色が変わったりするようなアプリがある場合、グループ同期機能によって、家中の証明を正しく制御できる。同様に、デバイスの双方向同期により、サービスやユーザーは重要なデバイス情報を同期させることで、スマートホームのエコシステムを維持することができる。これらの新しい同期機能は、Threadデバイス上のMatterでよりシームレスな体験を提供し、Alexaエコシステムの制御とメンテナンスのための追加レイヤーを提供するだろう。

アマゾンは、アンビエントな体験を実現するために、アレクサのエコシステムに注力している。このようなアンビエント機能は、スマートホームのエコシステムを「とにかく使える」ものにするのに役立つ。そしてMatterデバイスのサポートによってスマートホームは新しいレベルの相互運用性を持つようになり、アマゾンはゲートキーパー的な立場に置かれることになる。確かに、アマゾンはMatterに全面的に協力しているが、AAHDKのおかげで、アマゾンもケーキの分け前を手に入れて食べることができるようになった。

アマゾンがMatterを、Google(グーグル)やSamsung(サムスン)、Apple(アップル)と同じように見ているとは思えない。それらの企業は自社のデバイスをMatter規格に対応させようとしていると思うが、アマゾンは逆にMatter対応デバイスがアマゾンのエコシステムに入ることを許しているのだ。これらの視点は似ているように聞こえるかもしれないが、違いは、アマゾンのアプローチが、開発者とユーザーがアレクサプラットフォーム上で動作する製品を構築できる、家庭向けIoTデバイスのエコシステム構築戦略をサポートしている点だ。この違いによって、アレクサプラットフォームにありながら、Matter対応デバイスを取り込んで、さらにリーチを拡大できるということだ。

注:Moor Insights & Strategyのアナリストであるジェイコブ・フレイマンがこの記事に協力している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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