ビジネス

2023.01.27 13:00

BtoGの強さ、エイベックスが「オールジャパン」イベントをアジアの一等地で実現

エイベックス・アジア代表取締役社長の髙橋俊太氏

エイベックス・アジアは、2022年12月31日から1月1日にかけて「STAR ISLAND SINGAPORE Countdown Edition 2022-2023 presented by JCB」を開催した。その名にあるようにシンガポールで行われた本イベントは、コロナ禍の影響もあり3年ぶりの開催となったが、約2万人以上が来場。会場周辺には約60万人の市民や観光客が集まる大規模なカウントダウンイベントとなった。

同社の未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」は2017年に東京・お台場海浜公園で初開催され、2018年には海外進出し、シンガポールのカウントダウンイベントとしても採用されている。

この「STAR ISLAND」を主催するエイベックス・アジアは、アジアを中心に音楽ライブやアニメ関連イベントをプロデュースしているエイベックス・グループの企業だ。

見るものをアゲる「ロケーションエンターテインメント」


「エイベックスは人を喜ばせることが得意な会社です。ライブやイベントを開催することも多い。そんな僕たちがIPを通じてできることはないかと考えていました」とエイベックス・アジア代表取締役社長の髙橋俊太氏はいう。

EDMのフェスなど、ショーのフィナーレで最後に花火が打ち上がるというイベントは多い。エイベックスらしく、音も、光も、パフォーマンスもある花火のショーはできないかと考えられ、結実したイベントが「STAR ISLAND」だ。見る者を圧倒するこのエンターテインメントは国境を越えていくもので、日本国内での成功後、次の開催地に白羽の矢が立ったのがシンガポールだった。

STAR ISLANDには、もう1つ欠かせない要素がある。それが「ロケーション」だ。


写真提供:STAR ISLAND 2022

STAR ISLANDは「映える」場所で開催される。日本の伝統花火と3Dサウンドやレーザーライティングといった最先端のテクノロジー、そしてパフォーマンスで構成されるショーは美しく人気がある絶景をバックにして繰り広げられる。シンガポールは、エイベックス・アジアが本社を置く地元でもあるが、アジアが誇る世界的な観光地マリーナベイがある。「一等地中の一等地」と髙橋氏がいうマリーナベイには屋上に世界最大のインフィニティプールを有する高級ホテル、マリーナベイ・サンズなどが存在している。STAR ISLANDはそれらをバックにして繰り広げられる。エイベックス・アジアはSTAR ISLANDを「ロケーションエンターテインメント」と呼んでいる。

シンガポールだからできたこと

しかし、その実現までには、クリアすべき点も大きく多い。「ショーは大規模なもので、さらに花火を打ち上げ開催するためにはマリーナベイの会場をお借りしたり、行政の協力が必要でした」と髙橋氏。同社はそれまでポケモンをテーマとしたファンランイベント「Pokemon Run Carnival Singapore」などを開催(STAR ISLANDと同じくマリーナベイで)するなどし、シンガポール政府との関係をしっかり築き上げていたこともあり、同国の都市再開発庁と政府観光局の後援を受けることができた。
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文・編集=安井克至

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