「スニーカーブームは一旦落ち着く」アトモス社長が予見する2023年

アトモス代表 本明秀文

──本明さんも今日ホカを履かれてますね。

僕は最近、ホカしか履いてないですね。毎日10〜15kmくらい歩くんですけど、ヒザの古傷が痛むこともあって、クッショニングの良いやつじゃないとダメなんです。

本明さんの足元はもっぱらホカ。この日はアッパーにゴアテックスを搭載した「BONDI L GTX」を履いていた。
本明さんの足元はもっぱらホカ。この日はアッパーにゴアテックスを搭載した「BONDI L GTX」を履いていた。

──30〜40代の男性には、どんなものが人気でしたか?

やっぱりニューバランス。あとは先ほどのオンホカもそうですね。オンなんかはロジャー・フェデラーが株主として入っていたりしてイメージも良いから、落ち着いた大人の男性に刺さってるんじゃないかな。

今ウォール街で、チノパンにパタゴニアのベスト着て足元はオンっていう人を見たら、金融関係って一発でわかりますね。

オンやホカは、なぜ大人にウケるのか?

──パフォーマンス系のシューズがウケる理由は何なんでしょう?

たぶん、エア フォース 1とかダンクなんかのカップインソールって、人によっては履きづらいんじゃないかなって。

やっぱり今のトレンドとしては、新しいテクノロジーがないと売れないんですよね。オンにしてもホカにしても、軽くてクッショニングが良い。そういうものが売れるのかなと。



あとはニューバランスみたいに、世の中に定番として浸透しているもの。「これなら仕事にも行ける」という具合に、オンとオフを兼ね備えた商品は好まれますね。やっぱり、景気が悪いんだと思うんですよ。

──なるほど。

景気が良ければ、遊び用と仕事用を分けて揃えるものじゃないですか。色にしたって、白か黒、あるいはグレーとか、そういうどこにでも履いていけるもの、合わせやすいものに偏りすぎている。ニューバランスだって売れるのはグレーばっかりですしね。

──それでもニューバランスやナイキの人気はまだ続きそうですか?

まだまだ売れると思いますよ。ただ、履き心地とかテクノロジーの凄さは求められるけど、いわゆるプレ値というか、付加価値はそれほど求められなくなってくると思います。モノが溢れすぎていて消費しきれないというか。プレ値で取引されることも多いナイキの「エア ジョーダン 1」。
プレ値で取引されることも多いナイキの「エア ジョーダン 1」。

ジョーダンのOGとか、トラヴィス・スコットやサカイとのコラボなんかも人気はあるけど、やりすぎちゃうと当然価値は落ちてくる。結局、ないものが売れるんですよ。だから出回る量と頻度、その辺のバランス次第ですよね。
次ページ > 2023年の注目スニーカー

文・取材=外山壮一 写真=佐藤ゆたか

タグ:

連載

OCEANS × Forbes JAPAN

ForbesBrandVoice

人気記事