働き方

2023.01.20 16:00

2023年のトレンド「静かな採用」は職場をどう変えるか

良い例がGoogle(グーグル)だ。シリコンバレー拠点の同社は、すでに職務以上の能力を発揮している従業員を特定するのに静かな採用を活用している。従業員が実力を証明すれば、昇給や昇進の可能性も高くなる。また、社内に必要な人材がいない場合は契約社員やギグワーカーを雇うなど、代替策を試行錯誤している。究極的には静かな採用は会社の時間、金、リソースを節約する。

従業員が静かな採用の恩恵を受けるには

静かな採用は雇用主だけにメリットがあるように聞こえるが、従業員にもメリットがある。難しい仕事を与えて成長を促すストレッチアサインメントや新しい役割を任された場合は、どんなことが期待されているのかを明確にしよう。自分の能力を超える仕事を引き受け、燃え尽き症候群の状態に陥るのは最も避けたい。次に、自分の成果を記録できるよう、上司と協力して成功の指標を設定しよう。もしあなたが追加の責任を負っているのであれば、昇給を期待してもいいだろう。それが難しい場合はボーナスや柔軟な労働時間、休暇の追加などを交渉することを検討するといい。

また、成功に必要なトレーニングや支援が受けられるようにしたい。新しい仕事に取り組む大きなメリットは自分のスキルセットを広げ、多才で価値ある従業員になれることだ。他のビジネスエリアの同僚と知り合いになり、興味のある部署の様子をうかがうこともできる。最終的にステップアップした職種で優秀な成績を収めれば、それを昇進の交渉に活用できる。

この手法で本当に利益を得ている企業は、静かな採用に倫理的なアプローチをとっている。従業員は利用されていると感じたくないものだ。つまり、リーダーには新しい仕事を、昇進や昇給の可能性を秘めた学習機会として提示している。もしその措置が単に会社が困難な時期を乗り切るための短期的な手段であれば、経営陣はそのことを伝えるべきだ。従業員の定着が企業にとって最優先事項である今、今こそ誠実さと透明性をもって従業員をサポートし、仕事ぶりを評価すべきときだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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