CNBCの報道によると、マクドナルドのクリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は全従業員に宛てたメモのなかで、現行の事業の仕組みは「時代遅れで自ら制限を課す」ものになっていると指摘。会社の優先事項にあらためて集中するため社内組織を再編する考えを示した。
それにともない4月までに人員削減を計画していることを明らかにした。目的はコスト削減ではなく、イノベーションや効率化の促進にあると説明している。
マクドナルドは今年、米国内の出店を加速していくことも計画している。「過去数年にかき立ててきた需要を完全に取り込む」(ケンプチンスキー)のが狙いだという。今年の出店計画数については明らかにしていない。
出店拡大路線には疑問の声も
今回の人員削減はコスト削減策ではないとのことだが、マクドナルドが進めているほかの取り組みのなかには、人件費を節約する方法として目を引くものもある。ヤフー・ファイナンスの報道によると、マクドナルドは昨年末、ロボットが注文を受け付けて商品をベルトコンベアで運んでくる初の自動化店舗をオープンさせた。マクドナルドによると調理を手伝うために人間のスタッフもいるそうだが、自動化店舗が本格展開されれば大量の雇用喪失につながるのではという懸念の声も上がっている。
また、マクドナルドの出店拡大計画に疑問を抱く向きもある。アセンダント・ロイヤルティーの共同創業者デイビッド・スラビックは「近くに既存店がない優良なロケーションをいったいどこで見つけるつもりなのか」と述べ、国外の出店数や競争が比較的少ない場所で出店を増やすほうが賢明な選択肢なのではないかとの見解を示している。
ブラック・モンク・コンサルティングのライアン・マシューズCEOも、マクドナルドのリストラ計画について「さっぱり意味がわからない。この業界は高い人件費と人手不足に悩まされているのに、首を切って拡大しようというのだろうか」と疑問を投げかけている。
マシューズは「人員削減の多くが本社で行われるのはわかるが、真の問題は店舗にある。重要度が低く、人手不足に陥りそうなロケーションに出店するのは成功への道とは言えない」とし、マクドナルドにとってビジネスの成長に向けた最大のチャンスは「商品をもっとおいしくすること」にあると述べている。
(forbes.com 原文)