宇宙関連の投資会社「スペースキャピタル」のレポートによると、2022年に宇宙企業が受けた民間投資は201億ドル(約2.6兆円)で、過去最高の474億ドルを記録した2021年から60%近く減少した。特に落ち込みが激しかったのは第3四半期で、2013年以降で最も調達額が少ない四半期になったという。
調達額の減少の背景には、急激な金利の引き上げや景気後退への懸念、長引くパンデミックの影響やウクライナ戦争による混乱など、2022年の厳しい経済環境が挙げられる。
イーロン・マスクのスペースXは市場の低迷をものともせず、2022年に20億ドルを調達したが、これは同社の年間調達額としては2番目に大きく、年間の民間投資額の約10%を占めていた。
スペースキャピタルの創業者のチャド・アンダーソンは、「2023年は宇宙関連のスタートアップにとって厳しい状況が続く」と述べ、特にビジネスモデルが不確かな企業は苦戦すると話した。
この分野では、米国と中国が圧倒的な強さを誇り、米中を合わせたプライベート・エクイティ投資額は全体の4分の3を占め、米国企業がその半分近くの46%を占め、29%が中国企業に流れている。しかし、スペースキャピタルは、米中の調達額の差がいくつかの重要なセクターで急速に縮まっており、中国企業が今後数年のうちに米国企業と同等になるか、上回る可能性があると述べている。
「宇宙セクターにおけるこの1年間の米国政府の支出は、これまで以上に重要になる見通しだ」と、アンダーソンはフォーブスに語った。「ロシアや中国との緊張が高まる中で、ウクライナで使用された衛星画像や衛星インターネットなど、ここ数カ月でその価値が証明されたテクノロジーに注力している企業は、この状況から恩恵を受ける可能性がある。政府や企業は、これらのサービスに対して喜んで資金を投じる」とアンダーソンは述べた。
(forbes.com 原文)