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2023.01.21 09:45

冬の防災対策に必要なのは「お湯」、避難生活経験者が切実に語る

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東日本大震災は3月でしたが、震源地近くの東北地方は雪が舞っていました。みなさんは、寒い避難所での生活を想定した防災対策をしているでしょうか。凍てつく季節に避難生活を経験した人たちは、とにかく体が冷えて困ったと話しています。そこで何があればよかったか、何を準備しておけばよいか、避難経験者を対象にした調査から大切なことが見えてきます。

タイガー魔法瓶は、20代から60代の男女660人を対象に、「寒い時期の防災対策に関する調査」を実施しました。そのうち330人は実際に冬の避難生活を経験した人たちです。冬の防災対策が十分にできているという人は、避難経験者で36.2パーセント、避難未経験者ではわずか17.3パーセントでした。とくに避難の経験がない人の場合、なんとなく防災対策を考えているのが現状ではないでしょうか。この調査では、寒い避難所での寒さならではの困難を、経験者から聞くことができました。

寒い避難所で困ることは何かを尋ねたところ、実際に経験者が感じたことと、未経験者が想像したこととでは少々ズレがありました。どちらも1位は「身体が冷えて寒い」でしたが、経験者の2位は「温かい食べ物がない」でした。未経験者では5位です。

何があったらいいかとの問に対しては、どちらも温かい飲み物が1位になりましたが、経験者の2位は温かいごはんでした。未経験者では5位です。ここでも、口に入れるものが非常に重要であることがわかります。

そこで活躍するのが「お湯」です。避難経験者の7割以上が、お湯を必要とするタイミングがあったと答えています。子ども連れで避難した人に限ると、その割合は9割近くにのぼります。このお湯の使い道は、温かい飲み物、インスタントラーメン、インスタントスープがトップを占めました。4位は温かいおしぼりですが、5位はその他の温かい食べ物、6位は乳幼児のミルクとなっています。

防災士で防災備蓄収納マスタープランナーの堀中里香氏は、お湯とお湯を入れるだけで作れるインスタント食品を準備しておくことを提案しています。温かいものを口にすることは、体を温めるばかりか心も癒されるとのこと。とくに甘い飲み物はぜひ準備しておくとよいと言っています。

赤ちゃんがいるご家庭ではお湯は必須です。また、お湯があれば温かいおしぼりが作れるので、なかなかお風呂に入れない避難所でもお湯で体を拭けば、気持ちが落ち着くとのことです。

堀中氏は、つねにお湯を沸かしてポットに入れておくとよいと話しています。夜中に被災しても、ポットを持って避難できます。朝晩に白湯を飲むことを日課にすれば、健康にもいいし、お湯を沸かして保温しておくことが習慣づけられると助言しています。

さらに、お湯を沸かせるものがあれば安心できると堀中氏は話します。停電中でも使えるカセットガスコンロと魔法瓶のセット、調理(パッククッキング)に使える耐熱性のポリ袋も併せて準備しておくことを勧めています。

文 = 金井哲夫

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