北米

2023.01.21

どうなるドラッグストア?米国、大手ではウォルマートがトップ5に食い込む

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ドラッグストアと薬局が美容品の品揃えを拡大

ウェルネスと美容の成長トレンドの融合により、ドラッグストア小売業では2022年にフロントエンドが成長しました。健康的な生活に対する新たなトレンドに後押しされ、スキンケア、フットケア、バス用品を中心としたセルフケア商品の売上が伸びています。

さらに、消費者の仕事と社交への回帰が、メイクアップ市場に待望の追い風となっています。ドラッグストアは、品揃えの刷新、新ブランドの導入、消費者が求める成分を持つブランドアピールに大きな成果を上げています。

例えばWalgreensは、2022年春に英国を拠点とするスキンケア・化粧品会社のRevolution Beautyと、環境配慮型のパーソナルケアブランドHey Humansの製品ラインを発売しました。一方、WalmartとCVS Healthは、2022年4月にSera LabsのスキンケアブランドSeratopical Revolutionを発売し、Targetは現在自社ブランドのNutri-Stripsをオンラインで販売しています。

ドラッグストアが展開するヘルスサービス

パンデミック後のヘルスケアに対する状況の変化に伴い、医薬品小売業者はリテールヘルスケアを成長戦略の重要な要素とみています。

医薬品小売業者が大規模な医薬品サービスを提供することで、米国の健康とウェルネス分野全体の形が変わりつつあります。

たとえばWalgreensは、VillageMDに多額の投資を行い、離れた場所にある店舗にも医師を配置することができるようになりました。CVS Healthも、すべてのCVS Health薬局に同社の医師が近くにいることができるための投資を行っています。また、同様に、Walmartも、一部の施設に診療所を設置しています。このように、小売企業は、様々な方法で、医療提供者と薬局をより密接に連携させているのです。

Walgreensは、業界をリードする医療サービス提供者のネットワークを構築し、消費者が地域社会のプライマリーケア専門家、薬剤師、在宅ケアチームと連携できるサポートを行っています。同社は、VillageMDの併設クリニックの展開を続けており、現在は米国22州、160万人以上の患者にサービスを提供しています。2022年末までに200のクリニックを開設する予定です。

本レポート発行直前の2022年、VillageMDは、プライマリーケア、専門医療、緊急医療の大手プロバイダーであるSummit Health-CityMDの買収に合意し、VillageMDとSummit Healthを合わせると、米国の26の市場で680以上の拠点を持つことになります。

CVS Healthは、新たな医療サービスによって成長戦略を多様化させています。同社は、一部の地域でAetnaの会員向けに急性期後の在宅サービスを2023年に開始する準備を進めており、在宅医療における機能を拡大しようとしています。

また、 ヘルスハブであるMinute Clinicsのフォーマットを拡大し、健康サービス、遠隔健康診断、薬局サポート及び、さまざまなウェルネス製品を提供することで、小売店の役割を変えることを目指しています。Minute Clinicsの来患者数は累計で280万人を超えています。
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文=RxR Innovation Initiative

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