北米

2023.01.21

どうなるドラッグストア?米国、大手ではウォルマートがトップ5に食い込む

Getty Images

当社の調査によると、米国の消費者がドラッグストアや薬局で購入する商品カテゴリーのトップ3は、OTC医薬品、処方箋医薬品、パーソナルケア製品であることが分かりました。中でも、処方薬とOTC医薬品が最も大きなシェアを占めていますが、これは風邪やインフルエンザの流行が春先まで続いたことと、新型コロナの検査キットの売り上げが伸びたことが要因です。

図9. 2022年8月までの3カ月間にドラッグストアや薬局で買い物をしたことがあると回答した消費者の購入品カテゴリー(回答者の割合)


(図内の訳、コメント「処方箋医薬品とOTC医薬品が購入品の上位を占めている」
選択肢左から「処方箋医薬品」「OTC医薬品」「衛生用品/パーソナルケア用品」「ビタミン/サプリメント/栄養剤」「食料品/飲料品」「家庭用品」「美容品(香水含む)」「ベビー&キッズ用品」「健康器具/探求消費財」「その他」)
対象:2022年8月8日までの3カ月間にドラッグストアまたは薬局で買い物をした18歳以上の米国人回答者313名
出典:Coresight Research

注目すべきテーマ

市場の大手企業がデジタル変革を加速させる

医薬品市場では、新型コロナウィルスのパンデミック以前からすでにデジタル変革が進められていましたが、突然のバーチャル世界への強制的な移行により、デジタル技術やメディアの採用が大幅に加速されました。世界的なパンデミックによって、多くの患者が、デジタル技術を活用した健康管理の必要性を感じたためです。そのため、ドラッグストア大手は、消費者の行動や嗜好の変化に適応するために、デジタルでのプレゼンスを拡大してきました。

CVS Healthは、2022年度第1四半期の決算説明会で、デジタルファースト、テクノロジーフォワードのアプローチに注力し、家族の健康管理をよりシームレスに、便利に、そしてパーソナライズ化するデジタルファーストの健康ダッシュボードの提供を拡大したことを発表しました。これは、健康記録、処方薬、推奨される行動などの重要な健康情報を一元化し、2022年度第1四半期時点で利用者が700万人増加したといいます。

さらに、2022年度第3四半期の発表では、患者が薬局を訪れる前に、緊急の処方箋を迅速化し、自己負担額を確認し、注文状況を追跡することができる、処方する際の患者の選択肢と利便性を高める新機能を導入したと説明しました。

Rite Aidは、2023年度第1四半期の決算説明会で、デジタル機能を強化し、BOPIS(オンラインで購入、店舗で受け取り)、郵送および配達サービスの拡大を発表しました。これらのサービスには処方箋と小売商品の両方が含まれ、ワンストップショッピングを形成しているといいます。

遠隔医療企業のMeMDは、2021年5月のWalmart Healthによる買収後、2022年5月にWalmart Health Virtual Careに社名を変更し、できるだけ多くの組織に、手頃な価格で質の高い遠隔医療オプションの提供を目指しています。現在のMeMDの患者や雇用主は、Walmart Healthの傘下で、より幅広い付加的な健康サービスを利用できるようになるとしています。
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文=RxR Innovation Initiative

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