経済・社会

2023.01.21 08:00

ビル・ゲイツの財団が「大きすぎる影響力」に対する批判に反論

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ビル&メリンダ・ゲイツ財団のマーク・スズマンCEOは、1月16日に発表した年次書簡の中で、同財団が世界中の公衆衛生の取り組みに多大な影響力を行使しているという批判に反論した。彼は、ゲイツ財団が世界のこの分野の支配的ポジションに就こうとしているのではなく、「適切な対処を行っている」だけだと述べた。

書簡の中でスズマンは、ゲイツ財団に向けられた複数の批判に言及し、2023年に同財団が過去最高額の83億ドル(約1060億円)を支出する計画だと発表した。

彼は、「選挙で選ばれたわけでもない億万長者が世界のアジェンダを決めている」という批判に反論し、ゲイツ財団の活動が、国際機関が決めた目標に沿ったもので、国連の「持続可能な開発目標」を指針としていると述べた。

スズマンはまた、同財団がすべての投資を公開し、「優先順位と戦略について完全な透明性を維持している」と述べている。

ゲイツ財団は、世界保健機関(WHO)に対する資金提供額で米国に次いで2位の団体だが、スズマンはその原因が「各国が拠出金を減らしたことにある」と主張した。

同財団の活動は、その寄付金の額の大きさと影響力から、数年前から公衆衛生の専門家や活動家の注意を引いている。彼らの監視の目は、パンデミックの中で急激に高まり、同財団のワクチンやさまざまな治療法への資金提供が批判される場合もある。

カイザー・ヘルス・ニュースは2020年の記事で、新型コロナウイルスの開発に成功したオックスフォード大学のチームが当初、このワクチンの権利をすべての製薬会社に開放しようとしていたが、ゲイツ財団の働きかけによって、アストラゼネカと独占契約を結んだと報じていた。

メリンダ・ゲイツは同年末のニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、ワクチンメーカーが利益を上げることを許されるべきだと述べ、その理由を「彼らがビジネスを継続することを望むからだ」と話していた。

ゲイツ財団とその創設者のゲイツは、パンデミックやワクチンに関するさまざまな陰謀説の標的にもなっている。専門家の中には、世界的な健康問題に関する同財団の優先順位に疑問を呈する者もいれば、彼らの活動の有効性を批判する者もいる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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