万博に向けて、企業が対応すべきことは?
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。サステナブルな未来に向けた日本の創造性とイノベーション力が試される。万博協会の大阪・関西万博基本計画には、次のように記されている。SDGsへの取り組みは、世界共通の課題の解決を目指すものであり、本万博を開催する意義である。SDGsの本質は、いのちを起点に様々な課題を紡いでいく試みである。これは、一人一人のいのちが輝くとともに、世界が、自然界が持続可能であることを望み、未来を共に創る営みである。
具体的に目指すものは次の2点である。
・国連のSDGsが達成される社会
・日本の国家戦略Society5.0の実現
特にSDGs目標9 「イノベーション」におけるインフラ整備と産業化推進や、目標17 「パートナーシップ」が主軸になる。今回の大阪・関西万博のテーマでは、目標3 の「保健」への貢献も強調されている。
万博の運営・調達にあたっては、イベントサステナビリティの規格で、2012年のロンドン夏季オリンピックで始まった「ISO20121」の認証も視野に置く。また、各種の調達コードも策定される。
このような姿勢は、万博に直接絡む公式パートナー企業はもちろんだが、持続可能性を念頭に置いた万博運営や調達のルールが設定されることで、公共調達などを通じて、ビジネス全般に影響を与えていくと考えられる。
この動きは不可逆的であり、ビジネスチャンスでもある。企業はよく勉強し、今後の社会ニーズを探る必要がある。
本稿は2022年10月発売の、筆者の最新刊『Q&A SDGs経営 増補改訂・最新版』(日経BP 日本経済新聞出版)の内容の一部を再編集しています。