自分が安定度は高いが収入はそこそこの企業に入ろうとしているのか、安定は保障されないが給与が高い企業を選ぶのか、狭き門ではあっても安定度も収入も高い企業を目指すのか、はたまた、そのような選択肢が自分にとって存在するのか──。
そもそもどういうルールのゲームでどんな駒があるのかを知ること、そして、自分の属性と照らし合わせるとどこがレッドオーシャンでブルーオーシャンなのか認識することで、同じ個人の経験とスキルであっても、より自分の理想に近い仕事にめぐり合える確率が高くなると期待したい。
ちなみに、本書の冒頭のグラフによると、35歳時点の手取りは、グーグルが約800万円(額面1150万円)、三菱商事が1650〜1900万円(額面)となっている。
(本書より)報奨水準(手取り、35歳平均)と勤続年数」
稼ぎたい、出世したい女性は外資系企業一択?
本書に掲載されている様々なグラフの一つに、「ジェンダー視点による仕事選び」マップがある。35歳時点の平均年収水準と女性の管理職比率の両方が高いのはやはり外資で、ルイヴィトンモエヘネシー、日本ロレアル、P&Gやユニリーバなど外資がずらりと並び、収入は1000万円を超える。一方、同様に高い給与水準でも、女性の管理職比率となるとパイロットは1%未満、総合商社も10%前後と低い。また、ケアマネや看護師などは女性の管理職比率が高いが、収入は500万円前後となっている。筆者は女性なので、このマップが実際のところ一番の参考になった。一方でこのマップと、その他のマップとの間には大きな乖離がある。本書に掲載されているジェンダー視点を加味していないマップは、年代にもよるが、女性に当てはまらない場合が多く、「(ほぼ男性)」と但し書きをつけて読む必要があるくらいだ。
(本書より)「ジェンダー視点による仕事選び」マップ