画像はFIRST CVC作成
ただ、CVCは課題も多い。チーム自体が投資未経験者の社内人材で構成されるため、スタートアップ界の人脈や投資知識が不足しているのだ。意思決定が遅い、口出しが多いといった事実と異なるイメージを持たれがちでもある。
こうした課題を解消するべく、2022年12月に設立されたのが「FIRST CVC」だ。スタートアップの財務やIPOに向けた支援を手掛けるBlueCircleの山田一慶代表が立ち上げ、すでに150社が参加している。
同団体では、実務ノウハウを学ぶセミナーやCVC同士のネットワーキングを実施する。また、オフィスアワーを設けたり、マッチングツールを使うことで、CVCが狙いとするスタートアップとの接点を生み出す。2023年度中には、新設されるCVCや新任担当者に向けたスターター研修も開講する予定だ。
マクロ経済が冷え込むなか、新規の投資を控えるVCも多い。一方CVCは、2021年に過去最高の出資額を記録し、2022年には過去最多となる30本のファンドが設立された。団体の立ち上げを機に、いっそう勢いが増していきそうだ。